塵芥(ごみ)の降る国で
蒼い月影の表層に貼られた
過去の二枚舌の栄華がいつも僕を苛ませる
優しい悪魔が沈黙するとき
僕を殺すだろう
塵芥の降る国で
根も葉もない流言の無責任さが喉を裂き
ストーブから噴きだす象徴的な自由が
あの人の吐いた呪文を無効にしてくれればと願う
でもメリールーズの俳句が耳を噛みちぎると
狂った音符のアルゴリズムが統合され
誰かがまた失望の奈落へと突き落とされる
裏切りが歴史的に人を灰燼にすることを知り
贖いが運命を弄び現代の生贄を罰するとき
教養の海は干からびる
真実をルビーの湖に投げいれ
身の潔白を証明するため朧夜に命を破り棄てよう
待望の未来を待つことに
信じなければならないものを信じることに疲れ
その肌を伝う汗と陥穽の姦侫に
心臓を止めて楽になりたいと願った
優しい悪魔が沈黙するとき
僕を殺すだろう
無色の夜明けは穢れなき坤儀に託され
万障の匣を開けた
僕を殺すだろう
塵芥の降る国で