離婚は絶対しないよ ②
ワインバーからの帰り道、新宿駅前で軽いキスを交わしたあと、しばらくBさんと会える機会はなかった。僕は当時、M嬢とオフィスラブを進行中だったし、女としての妻に対する不満は少しもなかったから。Bさんからは時々メッセージが届いた。お元気ですか、またワイン飲みにお付き合いくださいと言ったような簡単な内容のものがほとんどだった。1ヶ月ぐらいしてからまた研修会で彼女にあった。そして三田から新宿まで同じ電車で移動した。「親がお見合いしろってうるさいんですよ、最近。誰も相手がいなさそうだから親の方が焦ってるみたいなんです。」と言って笑った。「僕はお見合いの経験がないですけど、妻は2回やったって言ってました。2回とも話を持ってきた世話好きの近所のおばさんへの義理でやっただけで、1、2回デートして断ったって。する前からお見合いなんて嫌だと思っていたって言ってましたよ。」「あっ、大好きな奥様のお話が始まりましたね。最初にワインバーにご一緒したときも、奥様自慢が凄かったですよ、僕は何があっても彼女とは絶対離婚しませんとか言ってましたよ。」と言いながら僕の顔を笑いながら見ていた。「それは誰かとお付き合いするときの僕の絶対条件です、それでも構わないという女性とだけお付き合いします。都合良いですけど。」と他の人には聞こえないように彼女の耳元で冗談っぽく囁いた。彼女は小声で「都合よ過ぎる」と言った。「それじゃあ奥様とは恋愛結婚、どうやって知り合ったんですか。」「僕がちょっとした怪我で5日間ほど入院したときに世話をしてくれた看護婦だったんです。退院したあとも検査や治療で病院に通っていて、そのうち彼女の方から一緒に映画に行こうと言われて、付き合いが始まったんですよ。」新宿駅で降りて、近くのビヤホールでビールを飲んだ。赤ワインのときとは違って、彼女は小ジョッキのビールを極めてゆっくり飲んだ。「やっぱりワインの方が良かったですか。」「大丈夫です。ビールは暑いときとか時々父と飲んだりもするので嫌いじゃありません。」30分ぐらいでビヤホールを出て駅に向かった。あまり酔ってもいなかったし、彼女にキスするにはまだ十分には暗くなかったから、お疲れ様と型通りの挨拶を交わしてそれぞれの電車に乗った。家に着く前に彼女から「ごちそうさまでした。ビール飲みたいときはいつでも呼んでくださいね」というメッセージが入った。「もちろんです。Bさんもワイン飲みたいときは僕を思い出してください」と返答すると「それじゃあ毎日です」と返してきた。その時は、僕はそれ以上は何も答えなかった。それじゃあ毎日ですって、毎日ワインが飲みたいってことかな、それとも毎日僕のことを思い出しているってことかな。食事の後ひとりで風呂に入りながら、彼女からのメッセージのことを思い出していた。今度会ったらやらなきゃ。あなたが結婚できない5つの理由~運命は変えられる~Amazon(アマゾン)1,130〜1,463円お見合い結婚宣言―確かな幸福を約束するAmazon(アマゾン)26,980円見合い恋愛 DVD-BOX HDリマスター版【昭和の名作ライブラリー 第25集】Amazon(アマゾン)19,800〜49,264円