韓流はもちろん、宝塚、歌舞伎から野球を始めとするスポーツ界まで

各界それぞれ強烈な推しを持っているスーパーミーハーな後期高齢者の友人に

「20年遅れてる」と馬鹿にされたが、『愛の不時着』で韓流デビューした私は

すっかり韓流沼にはまってしまった。

 

それこそ20年前、『冬のソナタ』の第一次韓流ブームの時は

登場人物の名前に弱くて、

つまり、字幕でなく吹き替えで観たのが失敗で

例えばチュサンという名前のサンが日本語の○○さんのサンと区別がつかず

それ以来、韓国語、そして韓国ドラマに拒絶反応が起きてしまったわけだ。

 

疎開もせず、ずっと東京で暮らしていたにもかかわらず、

戦時中一度も空襲に遭わなかった母は(そのことを一種の負い目にしていたようだが)

「私は天災に遭わない」と豪語していた。

その分、人災に遇い続けた人生だったが、その話はいずれまたするとして

天災に遭わないと言った通り、コロナが猛威を振るう直前に

まるでコロナから逃げるように母はこの世を去った。

 

母ロスでただでさえ引き籠もりの私に自粛生活が追い打ちをかけ

喪失の哀しみと孤独の寂しさで鬱々とした日々を送っていた。

そんな時、『愛の不時着』の評判を聞いた。

こと「観ること」に関しては雑食の私だから

評判が良い、大ヒット作は見逃したくない。

で、韓国ドラマに対するこれまでの先入観を捨て、

大ヒット、超人気ドラマとして『愛の不時着』を観たわけだ。

 

そしたら、面白いのなんの、やめられない止まらないはかっぱえびせんなみ。

結局、一人暮らし、在宅ワークの特権でまる2日の一気観。

まさに目から鱗だった。

 

中でも、ソン・イェジンの嫌味のない美貌と自然な演技に魅了され、

それからソン・イェジンの作品を片っ端から観まくった。

「国民の初恋」「メロの女王」と言われる彼女は

なんでも韓国では当たり前の整形をしていない数少ない女優の一人らしいが

メロ・ドラマもともかくコメディ・センスが抜群である。

イ・ミンホと共演した『個人の趣向』の彼女の演技に参り、

『パイレーツ』のアクションシーンは宝塚の男役顔負けと感じた。

 

ソン・イェジン作品を通して韓国映画、ドラマの面白さが少しわかり、

スーパーミーハー後期高齢者の指導の下、韓流を観まくっている次第。

最近は韓流時代劇にはまり、お馴染みの『チャングム』『トンイ』など

全150話もなんのその、どっぷり沼にハマっている。

 

もちろん韓流あるあるの記憶喪失、事故、病気、陰謀などお決まりパターンはあるものの、

とにかくストーリー展開がハンパない。

ハラハラ、ドキドキ、胸キュン、そしてクスクス笑い。

もちろん、アクションシーンも。

それをイケメンと美女が繰り広げる

要するに一大テーマパークのようなもの。

 

一時期、往年の宝塚ファンがどっと韓流に走ったというのが頷ける。

 

寝不足と生産性のあることを何もしなかったという罪悪感は残るが

ソン・イェジンと『愛の不時着』に救われたことは確かだ。

さて、明日からは『個人の趣向』をもう一度観よう。

誰に迷惑かけるでもなし、私には最高のストレス解消だ。