銀行の住宅ローン金利の上昇が始まりました。

住宅ローン金利の指標となる長期金利が急上昇
したためです。

2年間金利を固定するタイプで約0・2%、
5年間で約0・35%上昇です。

米国のサブプライムローン問題に
端を発した金融市場の混乱で、
昨年夏場以降、リスク性資産である「株式」から
比較的安全性の高い「債券」に資金がシフト
しました。

そのため、債券相場は「価格上昇」となり、
逆に「金利低下」現象が起きたわけです。

ここに来ての金利上昇は、その流れに
「逆流現象」が起きたことによります。

アメリカの金融不安が徐々に解消されてきたことから、
債券投資に向いていた資金が、おそるおそるですが、
株式に戻ってきたのです。それが金利上昇の大きな要因です。

さらにこのところの資源価格の上昇が、先々のインフレ予想を
形成して、金利上昇を助長している面も見逃せません。

さて、このまま金利上昇時代に突入するかどうかですが、
まだまだアメリカの景気は後退局面にありますので、
一直線の金利上昇ではないでしょう。

アメリカ経済は、住宅価格の下落が止まらず、
実体経済の後退は続いています。
住宅市況の悪化により、一応落ち着きをみせている
アメリカの金融市場ですが、再び混乱状態に陥る
可能性も否定できません
まだまだ予断を許さない状況です。

そうなると上昇トレンドの長期金利も、まだ下方
修正局面があるものと見た方が良さそうです。

とにかく、住宅市況悪化、資源インフレ、食糧難など
深刻な要素が重なっています。
変化の方向が定まらないのが世界経済の状況です。