道を切り開くのは自分~死にぞこないの青を語る~ | 炸熱~歌キチ、愛をうたう~

道を切り開くのは自分~死にぞこないの青を語る~

久々の映画鑑賞でした。


観に行ったのは8月18日(月)。

6thConcert「真夏の夜の夢」本番直前。

この日はリハーサルが17:00までだったので、試写会に間に合うではないか!

ということで、息抜きがてらたまにはいいだろうと会場のある有楽町へ向かう。


観たのはこの作品


死にぞこないの青


「リアル鬼ごっこ」「神様のパズル」とその活躍を立て続けに見てきた谷村美月が主演。

この後に公開が控えている楳図かずお原作の「おろち」も楽しみ。


そして名子役、須賀健太が主人公マサオを演じる。

この須賀君、TVドラマ「人にやさしく」ではまだ幼く、可愛い魅力爆発だった。

そんな彼の立派に成長した姿をスクリーンで観ることになろうとは・・・


今回はプレミア試写会と言うことで、監督、出演者の舞台挨拶がありました。


登壇したのは安達正軌監督谷村美月城田 優入山法子の四人。

あいにく須賀君の姿は見られず、VTRでの挨拶となった。

声が・・・声変わりしているなあと思った。

「人にやさしく」の時はもっと高い声だった印象が・・・。

実に好感の持てる、しっかりしたしゃべりだった。

ちょっと素敵だね、あ~はん?←言葉に出来ない気持ちを表したニュアンス的擬態語(笑)


安達監督の大テレぶり(超恥ずかしがり屋さんでした)、城田 優のさわやかな存在感、谷村美月の初々しさが印象に残りました。


死にぞこないの青


特に城田 優は舞台挨拶の時の気さくな感じと役とのギャップに驚かされました。

「HEAT ISLAND」の時の彼、私大好きなんですが、この役は酷いですね、いい意味で。

マサオを何かにつけて目の仇にして、いじめ抜くんです。

「HEAT ISLAND」のカリスマ・リーダー、アキが印象的だっただけに

百八十度違うこの役の彼は恐かったですね。

地なんじゃないの?というくらいイヤな奴でした。


映画の中での見せ方、悪役としての立ち位置の演技はもうそれは見事だと思います。

この作品撮影当時は「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」とスケジュールが被っていたらしく、

切り替えが大変だったそうです。

そりゃそうだよなあ、生徒と先生、しかも悪役ですから。。。


彼の演技がダークで陰湿で、冷酷で、ねちっこいほど、その後で明かされる真実が引き立ちます。

かなりおいしい役です。

もし自分が同じ役をやるとしたら、きっと精神的に病んでしまったのでは・・・と思います。


須賀健太がもう何だか可哀想で可哀想で・・・・・・・

観てらんなかったっス(T_T)

苛めってイヤなものですよね!

客観的に見ていると、虫唾が走るし、むかっ腹が立つし、寒気がします。

でも、苛めをしている本人たちはそれが悪いと分かっていてもやめられないんですよね、多分。

なぜなら、彼を庇おうものなら今度は自分が標的にされるから。


結論から言うと、苛めを始めた人間も、それに加担した人間も弱いからなんですよね。

常に自分に自信がなく、他者から阻害、廃絶、隔離されることを恐れている。

だから自分以外の人間を標的にして、自分がその的にならないよう逃げている。

実際問題はそんな簡単に一筋縄じゃ行かないと思います。


でも映画は一つの方法を提示している。

道を切り開けるのは自分自身の力でしかないことを。

いくら他人にアドバイスをもらおうと、本人が自らの意志で動かなければ

何の解決にもならないことを。


この場合、アドバイザーはアオという謎の女の子?。

彼女はマサオに言います。

「オレはお前なんだ」

両の手は拘束されていて身動きが出来ない謎の少女?。

「お前が動けないから、俺も動けないんだ」


死にぞこないの青


彼女の本当の正体は最後に明かされます。

誰よりも入り時間が早かったという谷村美月

特殊メイクで固められた顔には彼女の面影が見えて

そんなにグロテスクには感じませんでした。

むしろ美しいと感じたくらい。

こういうメイクってセンスが問われると思うのですが

松井祐一さんのセンスとテクニックは中々だと思います。


でも、アオというよりはシロって感じがしました、わたしには。


自転車に二人乗りしているマサオとアオとか、ふたりが心を通わすシーンが

いいなあと思いました。


一人立ちできるようになったマサオを見るアオのさみしそうな、でもホントはその反面、嬉しいみたいな微妙な表情とか、言葉を発しない演技が印象的でした。


そう忘れてはならないのが坂井真紀、TVドラマ「エジソンの母」でもそうでしたが

すっかり母親役が板について来ましたね。

彼女の包み込むような暖かさが、暗く重い物語の清涼剤になっていた気がします。


この映画の見所は


城田 優のイメージを覆す悪役演技

須賀健太の真っ直ぐな瞳と実直な演技

谷村美月のグロ美しいメイクと表情の演技

坂井真紀のマリアさま的母性演技。

そして集団心理の恐ろしさ

人間の弱さ、脆さ、儚さ


といったところでしょうか。


それにしても城田 優演じる羽田先生の父親がらみのエピソードには泣かされました

全てはお互いの想いの食い違い、すれ違いが原因なのですが・・・

ズルイ!


この記事を読んでこの作品に興味を持った方は是非劇場へ!


公開は今月30日(土)からです。


お薦め度(五段階で)★★★

城田 優の演技に★★★★


死にぞこないの青
◆おまけ◆

試写会場にて

会場でアオのコスプレGirlがおりましたのでパシャリキラキラ

しかし上手く撮れず、ちょとピンボケしょぼん