深キョンと赤川次郎 | 炸熱~歌キチ、愛をうたう~

深キョンと赤川次郎

PI,ASM/角川書店
死者の学園祭 限定プレミアムBOX

篠原哲雄監督作品



この映画について語る前に


私と赤川次郎との出会いについて語ろうと思う。


氏の作品との出会いは中学の時


同級生に勧められて読んだのがきっかけでハマッタ。


初めて読んだのは「サラリーマンよ悪意を抱け」だったかな。


その他「幽霊」シリーズ「三毛猫ホームズ」シリーズ「3姉妹探偵団」シリーズ


あらゆる作品を読破しました。


氏の作品はとにかく読みやすい。


数多の作品が映像化されているが、小説の方が圧倒的に面白い!


ユーモアのセンスと青春物での女性心理描写に優れている。


最近はとんとご無沙汰であるが、この映画を観て読みまくった日々を思い出した。



この作品は深キョンこと深田恭子の記念すべき第一回主演作。


観終わって思ったのだが、かなり原作からかけ離れた内容になっていると感じた。


もう、原作を読んだのが遥か昔20年も前のことなのだが、確かだと思う。


お話は分かりやすくて”ピアノ線丸見え”な所もあるが


それでも楽しめたのは、篠原監督の優しい視点と深キョンの瑞々しい存在感の賜物だろう。



彼女をはじめて観たのは、鈴木保奈美主演の名作ドラマ「ニュースの女


での滝沢秀明くんに思いを寄せる少女役。


三上寛主演のマエストロ・ドラマ「それが答えだ!


でも生徒役で出演していた。


可愛い娘が出て来たと注目していた。


ここまでブレイクするとは思わなかった。


この作品は彼女を観るための映画といっても過言ではないだろう。



印象に残ったのは


深キョンが恋する先生役、加藤雅也のカッコよさ


根津甚八のダンディズム


作家ではない役者としての筒井康隆の怪演


出番は僅かだが、故黒澤明監督のお孫さんでもある黒澤優の可憐さ


ドビュッシーのピアノ曲「月の光」の甘い旋律



劇中劇で、舞台上から深キョンが父役の根津甚八に、


台詞を通して思いを伝えるシーンにグッと来た。



お父様、お父様が告白して下さった真実を恨んではおりません。

真実は私の魂を救ってくれました。

どうか、お父様の魂も救われて下さい。

そして、愛の誠を貫くために

この手で全てを終わらせてゆく

私の我が儘をお許し下さい



見詰め合う父と娘


父の優しい眼差し



深キョンの切ないような、悲しいような表情が何とも言えず素晴らしい!


篠原監督は女優のいい顔を引き出すのが上手いなあと思った。



何だか無性に赤川次郎の本が読みたくなった。


氏の本は、私にとってかけがえのない青春の1ページであったのだなあ


と改めて思った。