「天才さん、一本取られたっていったい?」

「あぁ、10円玉は間違いなく給料だ」

「そ、そんなぁ...解き方が間違ってるんじゃないんですか? やっぱり『√C』を解かないと正しくないんじゃ...」

「アシさん、その『√C』が断言の理由だ」

「え...いったいどういう?」

「Cはローマ数字で100を表す。つまり『√C』は『√100』、すなわち10だ」

「さんざんインドで振り回した挙げ句インド数字を使わないなんて...」

「先生の性格からして有り得るからムカつきます...」

「一番上に書いたのもある意味俺達をおちょくるためだな」





こうして、くだらない強欲ライターの悪戯とも言える一件は幕を閉じた

後日、アシさんが渡辺氏から一通の手紙を貰ったらしい

そこにも悪戯のような暗号が書かれていたらしいが、それはまたの機会に語らうことにしよう

天才と凡人の神業コンビの活躍もその時にでも

では、また会おうノシ
「よくよく考えれば、簡単なことだったんだ....たぶん」

「「たぶん?」」

「いや、最初の『√C』がどうしても分からなくて...でも他のところはすんなり解けたからさ...」

「とにかく、他のところを教えてくださいよ」

「あぁ、まずはあの文章、どう並べても二文字足らない。だから、二文字増やしてやる」

「いったい、何を?」

「メモに書いてある通りだ。尺骨は米で出来てるんだよ」

「米...ですか? いったいどういう...」

「あ、探偵さんそういうことですか! 米、すなわちアメリカを表すんですね!」

「アシさんビンゴだ。尺骨を英語にしてやればいい」

「天才さん、よく尺骨なんて英語知ってましたね」

「あぁ、そこに辞書があったからな」

「あ、そうですか...」

「とにかく、尺骨は英語でulnaだ」

「それをあてはめる、ってわけですね」

「そうだ。そしてあてはめるとこうなる」


良きBEERを与
えられたオヤジに
DEERのナベを
食わせてやれGO
ODなCOOKを
呼びよこせ多大な
食事で治療しろ折
れたulna一本


「おぉ、正方形だ」

「そしてビショップの位置にあるのは『B、R、U、A』」

「ここからはちょっとしたアナグラムだ」

「え...らぶ...るば...ぶら...ばる...言葉になりそうなのはラブかブラですよ?」

「ブラ、つまり下着か!」

アシさんが急いで渡辺氏の下着箪笥を開けようとしたのを、俺は止めてやる。

「アシさん、もう一つのヒントも思い出してくださいよ」

「もう一つ...『別離した胸の故郷へ僧正を住まわせてやれ』ですか?」

「えぇ、ここで言う胸はチェスと見ていい。僧正、すなわちさっきの四文字をチェスの故郷に住まわせる」

「インド、ですか?」

「そう、並べ替えた四文字を『インド』にくっつけて言葉にしてやればいい」

「インド...インド...」

「「ブラインド!」」

「その通り!」

俺達はブラインドが閉じた窓に歩み寄り、辺りをくまなく探した。

「え、10円玉が張り付けてありましたよ?」

「「はぁ?」」

「まさか、先生は給料これだけなんてことは...ここまで考えさせておいて...」

「なんだかなぁ...って...あ、そういうことか! くそぉ...渡辺氏に一本取られたな」



おわり(笑)

最後のオチは次の記事で←


「それじゃあ、メモの方にいきましょうか」

「えーと...『我が尺骨は米で出来ている』、『別離した胸の故郷へ僧正を住まわせてやれ』ですか...」

「一つ目が気になるな」

「そうですね。尺骨が米...米...?」

「そういえばアシさん、渡辺氏はチェスが好きなのか?」

「はい、彼は大のチェス好きで、インドに渡ったのもチェスの取材のためでした」

「インドでチェスって人気なんですか?」

「おい凡人、お前まさかチェス発祥の地知らないのか?」

「え...ヨーロッパの方じゃないんですか?」

「助手さん、インドですよ」

「え、だから渡辺氏はインドに行ったんですか」

「ん...待てよ...?」

「天才さん?」

「ここでの胸ってのはチェスのことだよな...僧正はビショップ...胸の故郷...住まわす...尺骨...米...」

「た、探偵さん?」

「そういうことか!」

「「分かったんですか!?」」

「あぁ、ばっちり解けた!」












次回からは解答編になります


一応金曜日の夜に更新を予定しているので、分かった方、ここまでなら解けた!という方もメッセージにて受け付けます


ではでは良き謎解きの旅をノシ