『64 -ロクヨン- 後編』を鑑賞。
横山秀夫の同名小説の映画化。後編となる。

後編は昭和64年に発生した少女誘拐殺人事件（通称ロクヨン）を模倣した誘拐事件が発生する所から始まり、この事件を通して、昭和64年に起きた事件の真実が徐々に明らかになっていく。

前編に引き続き、後編も重厚感あふれる雰囲気とスピード感、臨場感は流石。

豪華俳優陣の演技も申し分なく、特に主演の佐藤浩一の気合いがほとばしった演技は素晴らしいの一言である。

良い意味で実に日本映画らしい作品に仕上がっており、大満足な一作となっている。

ただ気になる点が一つ。

それはポスターにある宣伝文句。

「映画史に残る傑作の誕生」

この一言が作品の満足度を下げてしまう事がなぜ理解できないのか。

当然の事ながら傑作かどうかを決めるのは観客であり、公開前から制作側が宣言するようなものではない。

そして私自身は残念ながら映画史に残るほどの傑作とは感じていない。

良くできた作品である事は確かだが、映画史に残る傑作と言うには少々物足りなさを感じてしまう。

作品として、前後編通して良作である事は間違いないので、観客の期待を裏切る事はないだろう。

蛇足としか思えない宣伝文句などなくとも前編を観た方は後編も観に行くであろうし、前後編観終った観客の感想は今のご時世SNSなどを通じて一瞬のうちに広がる。

最近ではズートピアがロングヒットとなったが、これも口コミによる所が大きいと言える。

逆にこのような宣伝文句を掲げなければならないほど自信がないのかと感じてしまう。

折角の良作である。
もっと作品に対する自信と愛情を持って宣伝してもらいたい。