南アジアの島国スリランカで、家族4人(大人2人と子供2人)の5泊6日の旅に出かけました。雄大な自然、美しい世界遺産、そして芳醇な紅茶の香る列車の旅——限られた日程の中で、スリランカの魅力を存分に味わうことができました。

 

コロンボ空港到着から始まり、専用車(ゴーランカ(GoLanka)のタクシーチャーター)で快適に移動。フレンドリーなドライバーのタシミンダさんに案内してもらいながら、子供たちと一緒に終始安心して観光を楽しめました。以下に、日ごとの旅程とハイライトをご紹介します。

旅程概要

日程 スケジュール・ハイライト
1日目 コロンボ着。専用車でシギリヤへ移動(道中約4時間)。ジェフリー・バワ設計のホテルに宿泊。
2日目 世界遺産シギリヤ・ロック登頂と遺跡散策。午後はアーユルヴェーダ体験(Athreya Ayurveda Ashramにて)。
3日目 シギリヤからキャンディへ移動。キャンディ市内観光(仏歯寺など世界遺産巡り)と文化体験。
4日目 ヌワラエリヤ経由で高原列車に乗車。紅茶列車でエッラ〜デモドラ間の絶景ルートを満喫。エッラ泊。
5日目 エッラの自然を満喫(トレッキング等)後、専用車でコロンボ近郊へ戻る。途中休憩・観光を挟みつつ長距離ドライブ。
6日目 最終日。コロンボ発のフライトに合わせて空港へ送迎、スリランカ出国。

1日目: コロンボ到着とシギリヤへの道のり

スリランカへの空の旅を経て、家族でコロンボのバンダラナイケ国際空港に到着しました。到着ロビーでは笑顔のタシミンダさんが出迎えてくれ、早速専用車に乗り込みます。初めてのスリランカに子供たちも興味津々です。車窓からはヤシの木や緑の田園風景が広がり、途中でキングココナッツ(オレンジ色のヤシの実)のジュースを売る屋台を見つけて休憩しました。南国らしいフルーツの甘い味に、旅の期待が高まります。

 

コロンボ空港からシギリヤまでは車で約4時間。道中、タシミンダさんが「スリランカへようこそ!」と日本語で話しかけてくれたり、現地の文化についてガイドしてくれたりしたので、長距離移動も退屈せず快適に過ごせました。

 

午後遅くに到着したのは、シギリヤ近郊のホテル「ヘリタンス・カンダラマ」です。建築家ジェフリー・バワが設計したこのホテルは、ジャングルに溶け込むような独特のデザインで、バワ建築の最高傑作とも称されています。

 

ロビーや廊下に巨大な岩がそのまま組み込まれ、目の前にはカンダラマ湖とジャングルが広がるインフィニティプールがあり、まるで自然と一体化したかのような佇まいです。チェックイン後、部屋のバルコニーに出ると早速サルの親子が遊びに来ていて子供たちは大喜び。長旅の疲れも吹き飛びました。

 

夕食はホテルのビュッフェレストランでいただきました。スリランカカレーや新鮮なトロピカルフルーツなど地元料理も豊富で、スパイス控えめのメニューもあるため子供たちも安心して食べられました。特に香り高いセイロン紅茶で淹れたミルクティーやデザートのウォッタラッパン(ココナッツミルクの蒸しプリン)が好評でした。心地よい夜風を感じながら初日が終了です。

2日目: 世界遺産シギリヤ・ロックとアーユルヴェーダ体験

朝は早起きして、ホテルからほど近いシギリヤ・ロック(Sigiriya Rock)に向かいました。シギリヤ・ロックは高さ約195mの巨岩で、5世紀のシンハラ王朝のカッサパ1世が山頂に宮殿を築いたことで知られる世界遺産です。

 

岩のふもとから階段とスロープを家族みんなで一歩一歩登っていきます。途中、岩肌の中腹には有名な美しい壁画「シギリヤ・レディ」の保存壁があり(子供には少し難しい芸術でしたが)、さらに進むとライオンの形をした巨大な門が現れました。ここが“空中宮殿”への入口です。険しい石段を登り切って頂上にたどり着くと、眼下にジャングルと古代の水庭園の遺跡が一望できました。朝の澄んだ空気の中、遠くまで見渡せる景色に子供たちも「登ってよかった!」と達成感に浸っていました。

 

下山後はふもとの売店でキングココナッツを再び購入し、水分補給。ホテルに戻って汗を流した後は、タシミンダさんお勧めのアーユルヴェーダ施設へ向かいます。シギリヤから車で約40分ほどのハバラナの町にある「Athreya Ayurveda Ashram」というアーユルヴェーダ施設です。

 

ジャングルの中に藁ぶき屋根と木造の建物が点在し、とても静かで落ち着いた雰囲気に癒されます。到着するとまず専門のドクターによる問診があり、家族それぞれの体調や体質に合わせたオイルを選んでくれました。そして念願の本格アーユルヴェーダ施術を体験します。

 

私(母)は温めた薬草オイルを額に垂らすシロダーラを含む全身マッサージを受けました。日ごろの疲れやコリがじんわりほぐれていく感覚にうっとり。

 

父と子供たちも、それぞれハーブオイルでのマッサージやハーバルスチームバスを体験しました。子供たちは最初少し緊張していましたが、セラピストさんが優しく対応してくれ、心地よいハーブの香りに「気持ちいい〜」とリラックス。施術後にはハーバルティーをいただき、心身ともにリフレッシュできました。

 

タシミンダさんの手配のおかげで貴重な体験ができ、家族全員大満足です。

夕方は再びホテルへ戻り、プールでひと泳ぎ。夕暮れのカンダラマ湖に沈む夕日を眺めながら過ごす時間は、この旅で忘れられない思い出の一つとなりました。ホテルのテラスからは遠くに今日登ったシギリヤ・ロックも望め、スリランカの大自然に抱かれていることを実感します。夜はホテルのバーで大人は地元産のライオンビールを一杯いただき、2日目の夜も更けていきました。

3日目: キャンディで世界遺産の仏歯寺に参拝

この日は文化三角地帯を後にし、中央高地の街キャンディへ向かいます。朝食後にホテルを出発し、専用車で南へ約2〜3時間のドライブ。緑豊かな田園風景や茶畑を眺めながらの移動です。途中、マータレー(Matale)のスパイスガーデンに立ち寄り、シナモンやバニラ、カカオなど様々な香辛料の木を見学しました。スリランカ料理に欠かせないスパイスの香りに包まれ、子供たちも興味津々でカカオの実を手に取ってみたりしました。

 

正午過ぎにキャンディの街に到着。標高約465メートルの高地にあるキャンディは、かつてシンハラ王朝最後の都として栄えた古都で、市内の歴史的建造物群が街ごと世界遺産に登録されています。市内中心にある穏やかなキャンディ湖沿いに建つのが有名な仏歯寺(ダラダー・マーリガーワ寺院)です。ここには仏陀の犬歯の遺物(仏歯)が奉納されており、スリランカ仏教の聖地として多くの参拝者が訪れます。我が家もさっそく正装に着替えて寺院へ向かいました。

 

仏歯寺の門前で靴を脱ぎ、白い石垣の八角堂を抜けて境内へ。寺院内は神聖な空気が漂い、太鼓やラッパの音が響く中、多くの参拝客が列をなしていました。ちょうど夕方のプージャ(礼拝)の時間帯で、黄金の仏舎利容器が安置された部屋の扉が少し開かれ、中の輝きを拝むことができました。子供たちは初めて経験する荘厳な雰囲気にやや緊張していましたが、花を捧げ手を合わせる周囲の人々の様子を見て静かに祈りを捧げました。

 

寺院見学の後は、キャンディ市内を散策しました。伝統舞踊のキャンディアン・ダンスのショーを観賞し、マーケットで木彫りの像や紅茶などのお土産も物色。夕食は街のレストランでコットゥ・ロティ(ロティを細かく刻んで野菜や肉と炒めた料理)に挑戦しました。鉄板上でリズミカルに刻む調理パフォーマンスに子供たちも大喜びで、スパイシーな味付けでしたがヨーグルトソースと一緒に美味しくいただけました。夜はキャンディの丘の上に建つホテルにチェックイン。バルコニーからは街の夜景と遠くの山並みが見え、涼しい高原の風が心地よかったです。

4日目: ヌワラエリヤ経由、紅茶列車でエッラへ

キャンディからさらに東へ山道を登り、高原の避暑地ヌワラエリヤへ向かいます。朝、ホテルを出発してタシミンダさんの運転で約3時間、次第に周囲は茶畑に囲まれ、気温もぐっと下がって爽やかな気候に。

 

標高約1,900mのヌワラエリヤは「リトルイングランド」と呼ばれ、英国植民地時代の面影を残す町並みやゴルフ場がある美しい高原の町です。道中でブルーフィールド紅茶工場に立ち寄り、茶葉の製造工程を見学しました。摘みたての紅茶の葉を発酵・乾燥させる香ばしい香りが漂い、最後にオーナーが淹れてくれたオレンジペコのセイロンティーを試飲。父は「スリランカに来たからには紅茶を飲まなきゃ!」と大満足で、子供たちもミルクティーとチョコレートケーキでティータイムを楽しみました。

 

正午頃、ヌワラエリヤ近郊のアンベウェラ駅に到着。ここからはいよいよ楽しみにしていた紅茶列車(高原鉄道)の旅です!タシミンダさんに手配してもらった指定席券を持ち、クラシックな雰囲気のディーゼル列車に家族で乗り込みました。車窓には手が届きそうな緑の茶畑が続き、時折小さな駅に停車しながらゆっくりと山間部を走っていきます。子供たちは窓から顔を出して吹き抜ける風に大はしゃぎ。列車はトンネルを抜け、谷間にかかる鉄橋をゴトゴトと渡ります。なかでも圧巻だったのが、エッラ手前のナインアーチブリッジ(九つのアーチ橋)です。1920年代に建造された9連の石造りアーチ橋で、深い谷と茶畑をまたぐ絶景はスリランカ随一のフォトスポットとして知られています。列車は徐行しながらこの橋を渡り、乗客は皆カメラを構えて外の景色に見入っていました。

 

さらに列車は終点の一つ手前、デモドラ駅まで進みます。デモドラ駅ではデモドラループと呼ばれる珍しい鉄道ループを見ることができました。急勾配を克服するため線路が山腹で円を描き、なんと列車が自分の通った線路の下をくぐってループを完了するのです。車窓からは緑の丘陵に渦を巻く線路とトンネルが見え、鉄道ファンでなくとも感嘆する素晴らしい光景でした。

約2時間半の夢のような鉄道旅を終え、デモドラ駅で下車。そこには先回りして車で迎えに来てくれたタシミンダさんの姿がありました。再び荷物を車に積み込み、車で10分ほどの高原の町エッラ(Ella)へ向かいます。エッラは欧米の若者に人気の山岳リゾートで、小さなカフェやゲストハウスが集まるのどかな町です。この日の宿はエッラの絶景で有名な98エーカーズ リゾート。山の斜面に広がる紅茶畑に囲まれ、各コテージからは巨大なエッラ・ロック(Ella Rock)と谷間の景色が望めます。夕刻、ホテルのテラスから眺めた夕焼けに染まる山並みは言葉を失う美しさでした。

夕食はホテルのレストランで、シェフ特製のスリランカ風カレーをいただきました。高原野菜を使ったマイルドなカレーに子供たちも「おいしい!」と笑顔。満天の星空の下、涼しい風に当たりながら4日目の夜は更けていきました。

5日目: エッラの自然満喫とコロンボへのロングドライブ

目覚めの早い子供たちに誘われ、この日は早朝からエッラの自然散策に出かけました。ホテル近くの小道をハイキングしてリトル・アダムスピークという小高い丘の頂上へ。30〜40分ほど緩やかな登りが続きますが、茶畑や遠くの滝を眺めながらのトレッキングに子供たちも大はしゃぎ。山頂からはエッラ峡谷を一望でき、朝日を浴びて輝く景色に「こんな高いところまで登れたね!」と達成感を味わいました。

朝食後、いよいよコロンボ方面への帰路につきます。エッラからコロンボまでは車で約6〜7時間の長距離移動です。子供たちは名残惜しそうに車窓に広がる最後の山の風景を眺めていました。途中、ラワナ滝という迫力ある滝の前で写真休憩をしたり、高速道路のサービスエリアで軽食をとったりしながら、安全運転で進みます。山を下りて平野に出ると再び暑さが戻ってきましたが、道端のフルーツスタンドで買った冷たいパイナップルやマンゴーをほおばりつつ、ドライブを楽しみました。

夕方近く、私たちはコロンボ空港近くのニゴンボという海辺の町に到着しました。最後の夜は空港アクセスの良いニゴンボに宿泊し、インド洋に沈む夕日をビーチから眺めました。旅の初日からお世話になったタシミンダさんとはここでお別れです。「またスリランカに来てくださいね!」と笑顔で見送ってくれ、子供たちも「ありがとう!」と元気に手を振りました。ホテルでは新鮮なシーフードディナーをいただき、荷物の整理をしながら旅の思い出話に花を咲かせました。

6日目: さらばスリランカ、また来る日まで

楽しかったスリランカ家族旅行もいよいよ最終日。朝食後、ホテルをチェックアウトして空港へ向かいます。ニゴンボのホテルから空港までは車で20分程度とあっという間で、正午前にはチェックインカウンターに到着しました。出国手続きを済ませ、窓の外に広がる青い空を見ながら搭乗を待ちます。

振り返れば、世界遺産シギリヤの古代宮殿跡に登り歴史のロマンに触れ、聖地キャンディで敬虔な祈りの時間を体験しました。雄大な景色の中を走る紅茶列車では、家族みんなで感動を共有し、一生忘れられない鉄道旅となりました。スパイス香るカレーや甘い紅茶など美味しい料理の数々も旅の楽しみを彩ってくれました。そして何より、いつも笑顔で支えてくれたタシミンダさんをはじめ、出会ったスリランカの人々の温かさが心に残りました。

飛行機がゆっくりと離陸し、窓越しにスリランカの大地が小さくなっていきます。「また絶対来ようね!」と子供たち。スリランカで過ごした6日間は、家族の絆を深め、異国の文化と自然の素晴らしさに触れたかけがえのない旅となりました。