いつか夏が過ぎて

秋になっている

道端の白い草花が

夕暮れの長い影の中

さみし気な笑みを見せる

彼女と暮らし始めて二年になる

つややかな長い髪は変わらない

俯き加減で喋る横顔も変わらない

 

変わらない心

その頑なな結び目が

或る出来事でほどける時

それは思いたくないけれどーーー

彼女は音大を出ているだけにピアノが上手だ

街のピアノが置かれている駅がある

そこでよき聴く

彼女が弾く調べにつられて

大勢の人が足を止めて聴き入ってくれる

それを見て得意になっている自分が

 

彼女にはまだこれと言って

してあげられていない

それが心の痛みになって

でも逆に言えばそれが

励みにも

そう思いたい

仕事ksrsの帰り

アパートの階段を昇る時

夜の闇をぽつんと照らす壁の照明灯が

僕には愛しい

彼女が待っている部屋のドアまでもう少しだ