導尿が始まって少しすると、私はまだ自力で排泄出来ないのに、無意識に、トイレに行きたいと部屋のトイレの方を見るようになりました。
その頃、豆カレーさんから
「そろそろトイレに座ってみましょうか、一日に一回くらいやってみましょう」
と提案されました。
まだ自尿は出ておらず導尿に頼る日々
てっきりトイレに座るのは自尿が出てからだと思っていました。
豆カレーさんの考えは、せっかく尿が出るようになっても便座に座れなかったら仕方がない、それに、意外と便座に座ると自然に出る人もいるからやってみましょう、というものでした。
この考えは、ツンデレ美人さんも一緒でした。
とはいえ、当時の私はベッドから車椅子に乗るのも人頼り、ベッドから立たせてもらって車椅子に乗せてもらっていました。
それがトイレとなると、車椅子でトイレに行き、一人の看護師さんや介護士さんが私を立たせてくれて、私は倒れないようにその人の肩やトイレの手すりにつかまっている、私がよろよろと立っている間にもう一人の人が私のズボンや下着を下ろしてくれる、ゆっくり便座に座る、トイレを出るときはまたその逆をやる、というとても大変なものでした。
寝たきりからリハビリ病院に来て、初めて体を起こしてもらったとき、ベッドの傾斜を傾けて座るのは大丈夫だったけれど、ベッドサイドに押さえてもらいながら座ったとき、自分の体の重さがかかったからか、何故かお尻と股が激痛でした。
なので便座に座るときも痛いんだろうなと覚悟はしていましたが、意外とそんなでもなかったのを覚えています。
リハビリで立たせてもらっているときも、ツンデレ美人さんによく聞かれていたこと、
「足、踏みしめてる感覚ある?」
「ない」
まだまだ人につかまっても、手すりにつかまっても立っていることが大変でした。