導尿は初めは6時間おきにしましょうということでした。
最初は導尿について何も深く考えていませんでした。

車椅子に乗せてもらってリハビリをしているときに尿意のようなものを感じることが多くなりました。
だからといって、実際にはおしっこを出すことはまだ出来なかったのですが、出したいあの感覚を頻繁に感じるようになりました。

ベッドに横になってしまうとその感覚は少し弱くなるのですが、車椅子に乗って腹圧がかかるとまたトイレに行きたい感覚になる。

回復してきて敏感になっていたのもあると思いますが、その感覚が強くなってきて、私はだんだんリハビリに集中出来なくなってきていました。

足のリハビリは最初は横になってマッサージをしてもらうところから始まるので、そんなには気にならなかったのですが、問題は手と口のリハビリでした。

車椅子に座って物を掴む練習をしたり、スプーンやお箸を持つ練習をしたり。

ベッドを起こして長く声を出す練習をしたり。

だんだん座ると尿意を感じるようになってしまい、もうそのことしか考えられない滝汗
リハビリの先生との会話も上の空になってしまい、早く導尿してほしい、そればかり考えるようになっていました。

そして、週末旦那が泊まってくれていたとき、朝方また尿意を強く感じたので、ナースコールをして看護師さんに言ってみました。
でも、導尿の時間まであと2時間だったか3時間だったかあるのでその時間まで待ってね、と言われ、私は、はい、とは言ったものの…

話が少し前後してしまいますが、今思い出したのですが、この頃は私はまだカニューレが入っていて口パクでした。

私は辛くてイライラして隣で寝ている旦那に口パクで思いっきり弱音やら毒やらいろいろ吐いてしまいました。

「私は自分でトイレにも行けなくなっちゃった。
いいよね、自由にトイレに行けて。なんでこんなになっちゃったんだろ。これじゃ寝れないよ。」その他もろもろ、いろいろと言いました。

旦那は、しばらく私の口パクを目をつぶって聞いていていましたが、

「おまえさ、文句があるなら看護師さんに言えばよかっただろ。辛いから導尿してください、どうしてもしてくださいって言えばよかっただろ。俺に言わないで、ナースコールすればいいだろ。それくらい自分でなんとかしろよ」


えーんえーんえーんどうせ私の気持ちなんかわからないんだよ。普通の人が、トイレ行きたいって思ったときに、あと三時間は我慢して、行かないでって言われてるのと同じだよ。そう言われたらどう?」


そんなことで明け方近くに喧嘩をしてしまい、モヤモヤしていましたが、数日して気持ちが落ち着いてきた頃に豆カレーさんに相談してみました。

私は、食事に行く前には導尿してほしいこと、朝一の手のリハビリが終わる頃にいつも尿意を感じてしまうこと、尿意を気にしてしまってリハビリに集中出来ないときがあることなどを確か伝えたような気がします。

導尿はあまり短時間に頻繁にするのはよくないこと、ある程度、膀胱におしっこを貯める訓練をしないと治ってからも貯めておくことが出来なくなり、一時間おきなどにトイレに行くようになってしまうこと、尿路感染のリスクや尿道に傷がつきやすくなるなど、豆カレーさんをはじめ、他の看護師さんからも説明を受けました。

それでも、豆カレーさんは私の意思を尊重してくれて、導尿は六時間より短い時間で頻繁にしてもらえるようになりました。
昼間だけでなく、尿意が気になってしまって眠れなくなるという私に、夜も、消灯の時間くらいの9時~10時、夜中の3時くらいにと決めてくれました。

豆カレーさんは、
「人間は寝てるときはあまりおしっこは作られないんだけど、ちびまんじゅうさんは病気になる前は寝ているときトイレに起きたりしてた?」

とも聞いてくれました。

病気になる前は、夜寝ると、トイレなどで起きることはほとんどなく、朝までぐっすり眠れていました。

まだ病気の影響だったのか、当時の私は朝までぐっすり眠れるということがなく、途中で起きてしまったりしていたので、夜中の導尿のときも、しっかり起きて看護師さんと話したりしていました。

私の導尿については、看護師さんによってもいろいろな意見があったと思います。
頻繁すぎると考えた方もいたと思うし、頻繁なわりには尿の量が少ないから、もう少し時間を空けたほうがいいという意見もあったと思います。

今思うと、みなさん私の体のことを考えてくれていたからこそだったのだなと思います。

でも、その時の私は、尿意と戦うことに必死で滝汗
正直、反発してしまった看護師さんもいました。