スピーチカニューレ交換当日、私は朝からソワソワしていました。
担当の看護師さんが来て、今日は何時ごろに先生が来て交換してくれるかを伝えてくれました。
ああ、痛くても一時の我慢だ

旦那にも前から、
「おまえ、本番に強い女になれよ
カニューレ交換の当日にまた熱出すとかそういうのやめろよな」

と言われていました。
(やめろよなって言われたって、私だって好きで熱出してる訳じゃないんだけど
)

そして、時間になり担当看護師さんとメタル先生が入ってきました。
私は、緊張しながらも、メタル先生に
「痛い
」

メタル先生
「大丈夫だよ」
担当看護師さんも
「先生はベテランだから大丈夫よ」
そして、スッ
スルッ
あっという間に元のカニューレを抜いて、スピーチカニューレを入れてくれました。
まったく痛みはありませんでした。
私、ビックリして少しポカンとなっていると、看護師さんが、
「ほーら、痛くなかったでしょ
」

すみません、本当でした

そして、メタル先生、
「声、出してみて」
出た

か細い、ドラえもんの声をさらにかすれさせたような声だったけれど、久しぶりに声が出た

担当看護師さん
「もともとこういう声だった
」

私 「違います」
担当看護師さん
「声が変わっちゃう人もいるけど、徐々に戻るだろうから」
その後、車椅子に乗ってナースステーションの辺りに出たとき、リハビリのスタッフの方たちや看護師さんたちが、私が声が出るようになったことをとても喜んでくれました。みんなと話していると、心はイケメン君が通りかかり、一緒になって私と話した後、
「あれっ
て言うか普通に話してる
」


と言って、とても喜んでくれました。
その日は旦那も来る予定になっていました。
ナースステーションにいた味噌おにぎりさんが、
「ちびまんじゅうさん、旦那が来たらまず旦那の名前呼んであげなよ」
そんな話をしていたら、ちょうど旦那が歩いてきたので、
「◯◯」
旦那の名前を呼びました。
「おおーーっ
」

旦那、少し泣いた気がします。
そしてまた動画を撮ってくれました。
私は、両親に
「声が出るようになりました。様子を見て(スピーチカニューレを)一週間くらいしたら外します。ご心配をおかけしました」
と伝えました。
この時、旦那は私には言わなかったけれど、ドラえもんみたいな声になっちゃったなと思っていたそうです。
そして、声が出るようになって自分で気がついたことがありました。
ずっと口パクで話していたので、文章で話すと伝わりずらいので、単語で話していました。声が出るようになってからも、その癖が抜けない。
「これ、食べる」
など、私は無意識に単語で話していました。
最初に気が付いたのは担当看護師さんと話している時でした。
もう、声が出るんだから、文章で話すよう気を付けなくちゃ。
最初は意識しないとついつい単語で話してしまいました。そのため、話すときは意識して敬語を使うようにもしていました。変になったと思われたくなくて当時は誰にも言えず、今初めて言いました
