そんなわけで、しばらくの間、私のリハビリはすべて、ベッドの上で行われました。

手のリハビリの先生は寝たままの私の手や腕を動かしてくれる、足のリハビリの先生もマッサージをしてくれたり、足を動かしてくれました。

 

ただ一つ、転院してすぐに大きな前進がありました。

 

まだ、喉にカニューレは入っていたものの、口のリハビリでは初日に先生が口にスポイトでお水を入れてくれたのです。

一滴、たった一滴でした。飲みこみがどれくらい出来るのかがわからないので、普通のお水ではなく、とろみのついたお水でした。でも、とてもおいしくて、すごく嬉しくて。

ちゃんと飲みこめるかを先生が確認して、出来たようだったら徐々に口から飲んだり食べたりできるように練習していきましょうということでした。

 

 

自分が想像していたよりも、とても早く口からお水を飲めた(舐めたくらいですが)ことがとても嬉しかったです。

 

「明日は○○をしてみましょう」

 

私は口のリハビリがとても楽しみになりました。

 

 

 

部屋で足のリハビリを受けていると、当分会えないと思っていた旦那が部屋に入ってきました。気になって様子を見に来てくれたようでした。

私はとても嬉しくなりました。

そして、今日、口からお水を少し飲めたことを報告すると、

 

 

「おおっ!!

 

旦那もとても驚き、喜んでくれました。

 

 

そしてもう一つ嬉しいことがありました。

 

転院して二日目の夜、夜勤の看護師さんが

 

「今日夜勤です、よろしくおねがいします。」

 

と挨拶に来てくれました。

 

そして、消灯のころだったでしょうか、夜勤の看護師さん二人のうちの一人、男性の看護師さんが入ってきました。

体の向きを変えたいとか、何か困ってることはないか聞いてくれた後に、私のベッドの横に座って私の目線と同じ高さになってくれて、にこにこしながら

 

「ちびまんじゅうさんは、歩いて帰るんでしょうね。」

 

と言ってくれたのです。まだ足が動かないどころか、自分の足がどこにあるかさえもわからない、感覚が全然ない私に。

 

その看護師さんの目がきらきらしていたというか、私が回復することをすごく楽しみにしてくれていて、わくわくしているような目に見えて、

 

(ああ、もしかしたら私本当に回復して歩けるようになるのかもしれない)

 

看護師さんのたった一言の言葉でしたが、不安でいっぱいだった私は急にとても温かい空気に包まれたような、おおげさじゃなくて本当にそういう気がしました。

やっぱりこの病院に来てよかった。そう思いました。

 

この男性の看護師さんはいつもとても明るくて、いつも自分のことを

「心はイケメン」

と言っていたので今後、記事に書くときには、心はイケメン君と呼ぶことにしますウインク