手と足のリハビリが始まり驚いたことがありました。

手も足も、自分が思っている場所と違う場所にあるということでした。
もっと言うと、自分は手を胸の前辺りで動かしている、顔の前にかざしているのに何で透明なんだろう?やっぱり動かないから?動くようになったらだんだん見えるようになってくるのかな?
そんなふうに思っていました。
そのため、リハビリの先生が私の手を持って上に上げたりしてくれるのを見ると、えっ!?これ、私の手!?なんか怖いガーン誰か違う人の手が置いてあるようで、なんだか怖かったのを覚えています。
 
 
 
手はお腹の上辺りで固く掴んだまま固まったようになっていてそれを一生懸命外すのだけれど、またすぐに元に戻ってしまう。そんな感覚でした。かと思えばテレビの音楽に合わせて動かして自分でもリハビリしなくちゃ!!なんて思って動かせている感じもしたり滝汗
 
足に関しても、血栓を予防するための機械をつけて寝るのですが、寝る頃にはそこから足を抜いてしまう感覚。足も病前のように、もぞもぞと動かせている感覚でした。
そして回ってきた看護師さんに、口パクで、足が機械から抜けてしまっている、と伝えると
 
「ちびまんじゅうさん、そもそもこの機械まで足がとどいてないよ、背が小さいのかな?(寝たきりなので看護師さんも立ち上がった姿を見たことがないので)」
 
「…ゲッソリゲッソリゲッソリ
 
そしてしばらくはこの自分のイメージの手や足と実際の手や足を一致させて動かすイメージを作るために目をつぶりながらリハビリを受けていました。

 

口も変な感覚でした。
唾液を飲み込めないので吸引してもらったりしていましたが、口の中にいつもゼリーのようなものがあって、噛んで飲み込んでもまた出現する…そんな変な感覚がありました。
 
鼻から栄養を入れているので喉から出てくることはないはずなのに、先入観なのか、栄養の点滴が始まると口が変な味がして、ものすごくべたべたするような気がして何度も、おえっ、となっていました。
 
その他にも、ベッドの下から足を触られるような感覚があったり、体の上からたくさんの針金でできた板のようなものを押し付けられて体が薄っぺらくなっているような感じとか…そんな違和感がたくさんありました。
 
でも、今思うと、こういう違和感を感じるようになったことも、何も感じていなかった頃から比べると、私の体は少しずつ回復してきていたのだと思います。