現代(いま)に生きる日本舞踊の世界
 ~なごやに<創作と古典>の息吹を~

【7、まとめ】
日本は自然の中に神が宿っている、という考えが強く、古典舞踊の曲には自然が一杯題材とされていますので、神妙に踊っていますとその神様が感じられて、又舞台では舞台の神様が守って下さるので、舞台の吹く風もさわやか、光も暖かく揺らぎます。
舞台の空間はそれは素晴らしいもので、お客様にも空間を楽しんで頂ける踊りができたらと思います、名古屋の日本舞踊をどうしたら、などという大それた難しいことは判りません
が、私の門下にはこのようにと話し、又、私はこのようにしたいと思っている事をお話ししたく思います。
お話ししましたように、日本舞踊は歌舞伎舞踊と神仏に奉納した古来からの日本固有の民族の舞踊からなっています。
つまり、お客様に観て頂くものであり、神仏に奉納する気持ちを持って踊るものなのです。 これが私の基本です。
次に、長―い日本舞踊、お客様が飽きないよう、ポイントの場所が目立つように、又、お客様に分かりやすいように、役柄の基本をしっかりとらえて稽古します
演者としては、楽しく熱心に頑張って!がモットー。楽しくなければ、する必要なし、が私の口癖。
時間をかけ、お金を使って来て下さるお客様が少しでも楽しんで下さるよう。一生懸命稽古した舞台を、美しく・品よく心地よくを忘れるな!です。
そして私のモットーのもう一つ、舞台で起きた事、なにがあっても、全て貴女の責任と思いなさい。舞台で巧く対処できなかった時は、対処できるほど稽古していなかった自分の責任と思いなさい この覚悟は舞台に立つ者として、とても大切です。
こんな思いで楽しく、どこかのんびりと、時には必死でお稽古にはげめば、自然良い舞台を作り上げる事ができます。人生も楽しくなります。

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日本舞踊はどんどん細くなっていくのでは  と、危機を感じています。
お弟子が減った、発表会出演者が減った、お客様が減った……
師匠が歳をとって もう続けられないのに後継者もいない……
ちまたでこのような話を聞きます。

いえ、そんな事はいけません、
良い踊りを踊れば 良い舞台を創り上げれば
きっと人の目に止まる、
きっと後継者ができる、
きっとお客様が増える
そう信じて やって参りました
微力ですけれど なにしろ頑張ってきました
お弟子の数も発表会や公演の観客数も少しづつですが着実に増えています
通り一遍の稽古ではなく、それぞれの個性を生かして、お客様が楽しんで頂けるような良い踊りを踊れば、良い舞台を創り上げれば、の気持ちだけでした

私の元では、後継者になれそうな 若い人たちも育ってきました。
子供達は 先輩を目標に 張り切っています、
お歳の方々は100歳を目指しがんばっています。
私個人としては芸術と認めれるような舞踊を一度でもよいから踊りたい、2~3年しましたら 次のプロジェクトを 立ち上げたいと 思っています。
日本の自然が散りばめられ 日本人の心を踊っているこの素敵な大切な日本舞踊を 愛してやみません、皆様にも愛されて頂けるようますます頑張ります    
本日は拙い話を ながながとありがとうございました



此の後 時間がありましたので
藤娘の「男心のにくいのは~」のくだりを、近江八景にちなんだ歌詞の解説を入れて振りの説明をしながら、唄いながら踊りました 
そして皆様ご存じの さくらさくら の曲で お扇子をお渡しして
日本舞踊を少し お楽しみ頂きました
いつもの事ですが、さくらさくらは本当に日本らしい曲で我が流の振付も、情趣溢れ、優しく美しく、リズミカルで、しっとりと……
皆様ニコニコと楽しく、大きく元気に嬉しそうに踊って下さいました
踊り終わった時、
「踊りの時の、五條先生のこの嬉しそうな晴れやかなお顔を皆様にお見せしたかったのです」とは担当者のお言葉。一番楽しんだのは私のようです うふっ。
    
日本舞踊を見てみたい。「風神雷神の図」を見てみたい、公演しないのならユーチューブでどうか。と参加者からお言葉を頂きました。
文字にするととても長い文章でした、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
最後に、いただいたお言葉から、初めてインターネットで自分の踊りを掲載する気持ちになりました。
よろしかったら見ていただければと思います。