昔 ある偉い先生が
われ十有五にして学に志す、
三十にして立つ、
四十にして惑わず、
五十にして天命を知る………
とおっしゃった らしい
古文を選択した高校時代
なんとなく わかったような わからないような
思いで読んだ記憶がある
あれから 長い年月を歩み
私も なかなかいい年になった
三十過ぎても ちゃんと立てているのか?
四十過ぎても 惑わないと言い切れず
まして 天命なんて…
あの頃思っていた大人とは
ちょっと違う気もしている
だけど 私は今の自分のことを
結構 気に入っている
もちろん
人を羨ましく思ったり
足りない自分に 心折れたりもする
でも とりあえず
あの頃の夢を叶え
職業選択を間違えたかも?と思いながらも
そこそこ楽しく仕事している
おかげ様で健康な身体があり
大切に思える家族がいる
一緒に笑える 仲間がいて
心を許せる 友だちがいる
あの頃の私は
周囲のいろいろに敏感で
自分の足で立つことが精一杯だった
人と比べて落ち込んだり
出口の見えないトンネルで迷子になったり
居場所づくりに必死だったこともある
今は
人と自分が違うことを知ってる
1人と孤独が違うことも知ってる
人は助け合えるということも知ってる
薄く薄くかもしれないけど
少しづつ積み重ねてきたものが
いつの間にか厚みを持って
経験値という形になっていることにも気がついた
胸の中にいる あの頃の私に伝えたい
「大丈夫だよ あなたは一人ではないから」
楽しいことも 悲しいことも 辛いことも
全ての経験が私を作った
五十で天命を知れる気配もないけれど
うん 大丈夫
私が歩んできた道
しっかりいい道になっていると思う
そう信じてる