今日も前回に続き非浸潤癌のお話。
実は、最近「非浸潤癌の診断で抗がん剤治療を提案された、抗がん剤治療をした」というブログを立て続けに見た。ブログなので信憑性には疑問が残る上、そのブログをじっくりと読んだわけでもない。でも、「非浸潤癌と抗がん剤のメカニズムから考えて、非浸潤癌には抗がん剤は効かないと思うんだけど....」とちょっと考えてしてしまった。私がアレコレ考えてしまったことを頭の整理目的で書くだけなので、それを前提に読んで下さいね。
非浸潤癌の標準治療については、
日本乳癌学会HP内の「治療の流れ」「(1)非浸潤がん(ステージ0)」で次のように述べられている(全文引用、リンクはここ)。
----------------------------
非浸潤がんは,がん細胞が乳管・小葉の中にとどまる乳がんで,適切な治療を行えば,再発や転移をすることはほとんどないと考えられます(・Q31参照)。腫瘍の範囲が小さいと考えられる場合には乳房温存手術あるいは乳房温存手術とセンチネルリンパ節生検を行い,術後放射線療法を行います。また,非浸潤がんが広い範囲に及んでいる場合には,乳房切除術が必要になります。非浸潤がんであれば,微小転移を伴う可能性は低いと考えられるため,多くの場合,術後に薬物療法は必要ありません。ホルモン受容体陽性の場合には,乳房温存手術後にタモキシフェン(ノルバデックス)を5年間内服するという選択肢もあります。
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上記にも書かれているように、術後の病理検査で浸潤癌が見つからなければ、そして非浸潤癌の取り残しがなければ、理論的には再発や転移はないとされている。もちろん、検査には100%はないので、「非浸潤癌・全摘だったのに、遠隔転移が発覚し.....」というケースはゼロではない(過去記事参照)。
それで、非浸潤癌の術後の薬物治療だが、上述「多くの場合,術後に薬物療法は必要ありません。ホルモン受容体陽性の場合には,乳房温存手術後にタモキシフェン(ノルバデックス)を5年間内服するという選択肢もあります。」が一般的だと理解している。
「乳房温存手術後のタモキシフェン(ノルバデックス)5年間内服」に関しては、日本乳癌学会の医療従事者向け乳癌診療ガイドラインHP内に次のような記載がある(リンクはここ)。解説もあるようだが、会員しか見られない(2016.10追記:解説が見られるようになっている)。
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★非浸潤性乳管癌に対する乳房温存手術後の内分泌療法は勧められるか
★推奨グレード:C1 ホルモン受容体陽性の場合,タモキシフェンの5年投与を考慮してもよい(推奨グレードについてはここを参照)。
★背景・目的:非浸潤性乳管癌(ductal carcinoma in situ;DCIS)は予後が極めて良好であるが,手術後の浸潤癌局所再発を起こした場合は乳癌死のリスクが増えるため,初期治療における局所コントロールが非常に重要となる1)。放射線療法はDCISの術後温存乳房内再発を約半数に減少させるが2),本項ではホルモン受容体陽性DCISに対する内分泌療法の,①温存乳房内再発の減少を目指した局所療法としての意義,②対側乳癌予防の意義ならびに,③OSに与える意義について検証する。
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やっと、ここからが本題。まずは基本事項から。
★薬の効き方のメカニズム
薬は、ココとココのサイト(製薬会社のサイト)を見ると、「クスリの成分は血液によって全身へ送られる。目的とする臓器(病気の部分)に着いて直接作用したり、または中枢や細胞の酵素代謝に働きかけて、病気を治す」ということが分かる。つまり薬の成分は血流にのって運ばれるということだ。
★ホルモン療法の作用
日本乳癌学会HPでは次のようにかかれている(一部引用、ここのリンク先で必ず全文を参照してくださいね)。
-----------------------------
乳がんには,エストロゲン(女性ホルモン)をエサとして増殖するものと,そうでないものがあります。ホルモン剤は,エサである体内のエストロゲンの量を減らしたり,がん細胞がエストロゲンを取り込むのを邪魔することで,がんの増殖を抑えます。
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★抗がん剤の作用
日本乳癌学会HPの「代表的な抗がん剤」の項目で次のように書かれている(一部引用、ここのリンク先で必ず全文を参照してくださいね)。
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がんは,からだの細胞の中にある遺伝子のDNAという物質に何らかの原因で変異が起こり,際限なく細胞が増殖することで起こる病気です。抗がん剤は,DNAそのものに作用したり,細胞が増殖する過程を抑えることで,がん細胞の増殖を抑えます。
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それで、
非浸潤癌の乳房温存手術後のホルモン療法は、その目的・薬の作用メカニズムなどから理解できる。だが、非浸潤癌に対する抗がん剤治療については、「抗がん剤は点滴で直接静脈に入れて血流にのせ全身に運ぶが、非浸潤癌は乳管内に留まっている、つまり血管がない場所にある。血流にのってやってくる抗がん剤の成分が非浸潤癌にどのように作用するの?」と疑問に思ってしまう。医学・薬学の知識がない上、生物の基礎知識も怪しい私。私が分かっていないだけかもしれないが、非浸潤癌に対する抗がん剤治療は一般的ではないのは確かだと思う。
また、抗がん剤に関しては、副作用が強いので様々な議論が常にある。「効く・効かない」の議論もあるが、急性白血病など血液のがん疾患にはよく効く場合が多いと聞き(要確認)、「薬の成分は血流にのって運ばれるからか....。乳がんも血行性微小転移があるので、抗がん剤を使用し.....」とアレコレ考えた記憶がある。
繰り返しになりますが、非浸潤癌に対する抗がん剤治療というフレーズを目にして、ちょっと考えたことを書いただけです。よく分からない内容ですみません。
「よー分からん長い記事だな.....。でもOKよ!」
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実は、最近「非浸潤癌の診断で抗がん剤治療を提案された、抗がん剤治療をした」というブログを立て続けに見た。ブログなので信憑性には疑問が残る上、そのブログをじっくりと読んだわけでもない。でも、「非浸潤癌と抗がん剤のメカニズムから考えて、非浸潤癌には抗がん剤は効かないと思うんだけど....」とちょっと考えてしてしまった。私がアレコレ考えてしまったことを頭の整理目的で書くだけなので、それを前提に読んで下さいね。
非浸潤癌の標準治療については、
日本乳癌学会HP内の「治療の流れ」「(1)非浸潤がん(ステージ0)」で次のように述べられている(全文引用、リンクはここ)。
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非浸潤がんは,がん細胞が乳管・小葉の中にとどまる乳がんで,適切な治療を行えば,再発や転移をすることはほとんどないと考えられます(・Q31参照)。腫瘍の範囲が小さいと考えられる場合には乳房温存手術あるいは乳房温存手術とセンチネルリンパ節生検を行い,術後放射線療法を行います。また,非浸潤がんが広い範囲に及んでいる場合には,乳房切除術が必要になります。非浸潤がんであれば,微小転移を伴う可能性は低いと考えられるため,多くの場合,術後に薬物療法は必要ありません。ホルモン受容体陽性の場合には,乳房温存手術後にタモキシフェン(ノルバデックス)を5年間内服するという選択肢もあります。
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上記にも書かれているように、術後の病理検査で浸潤癌が見つからなければ、そして非浸潤癌の取り残しがなければ、理論的には再発や転移はないとされている。もちろん、検査には100%はないので、「非浸潤癌・全摘だったのに、遠隔転移が発覚し.....」というケースはゼロではない(過去記事参照)。
それで、非浸潤癌の術後の薬物治療だが、上述「多くの場合,術後に薬物療法は必要ありません。ホルモン受容体陽性の場合には,乳房温存手術後にタモキシフェン(ノルバデックス)を5年間内服するという選択肢もあります。」が一般的だと理解している。
「乳房温存手術後のタモキシフェン(ノルバデックス)5年間内服」に関しては、日本乳癌学会の医療従事者向け乳癌診療ガイドラインHP内に次のような記載がある(リンクはここ)。解説もあるようだが、会員しか見られない(2016.10追記:解説が見られるようになっている)。
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★非浸潤性乳管癌に対する乳房温存手術後の内分泌療法は勧められるか
★推奨グレード:C1 ホルモン受容体陽性の場合,タモキシフェンの5年投与を考慮してもよい(推奨グレードについてはここを参照)。
★背景・目的:非浸潤性乳管癌(ductal carcinoma in situ;DCIS)は予後が極めて良好であるが,手術後の浸潤癌局所再発を起こした場合は乳癌死のリスクが増えるため,初期治療における局所コントロールが非常に重要となる1)。放射線療法はDCISの術後温存乳房内再発を約半数に減少させるが2),本項ではホルモン受容体陽性DCISに対する内分泌療法の,①温存乳房内再発の減少を目指した局所療法としての意義,②対側乳癌予防の意義ならびに,③OSに与える意義について検証する。
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やっと、ここからが本題。まずは基本事項から。
★薬の効き方のメカニズム
薬は、ココとココのサイト(製薬会社のサイト)を見ると、「クスリの成分は血液によって全身へ送られる。目的とする臓器(病気の部分)に着いて直接作用したり、または中枢や細胞の酵素代謝に働きかけて、病気を治す」ということが分かる。つまり薬の成分は血流にのって運ばれるということだ。
★ホルモン療法の作用
日本乳癌学会HPでは次のようにかかれている(一部引用、ここのリンク先で必ず全文を参照してくださいね)。
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乳がんには,エストロゲン(女性ホルモン)をエサとして増殖するものと,そうでないものがあります。ホルモン剤は,エサである体内のエストロゲンの量を減らしたり,がん細胞がエストロゲンを取り込むのを邪魔することで,がんの増殖を抑えます。
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★抗がん剤の作用
日本乳癌学会HPの「代表的な抗がん剤」の項目で次のように書かれている(一部引用、ここのリンク先で必ず全文を参照してくださいね)。
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がんは,からだの細胞の中にある遺伝子のDNAという物質に何らかの原因で変異が起こり,際限なく細胞が増殖することで起こる病気です。抗がん剤は,DNAそのものに作用したり,細胞が増殖する過程を抑えることで,がん細胞の増殖を抑えます。
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それで、
非浸潤癌の乳房温存手術後のホルモン療法は、その目的・薬の作用メカニズムなどから理解できる。だが、非浸潤癌に対する抗がん剤治療については、「抗がん剤は点滴で直接静脈に入れて血流にのせ全身に運ぶが、非浸潤癌は乳管内に留まっている、つまり血管がない場所にある。血流にのってやってくる抗がん剤の成分が非浸潤癌にどのように作用するの?」と疑問に思ってしまう。医学・薬学の知識がない上、生物の基礎知識も怪しい私。私が分かっていないだけかもしれないが、非浸潤癌に対する抗がん剤治療は一般的ではないのは確かだと思う。
また、抗がん剤に関しては、副作用が強いので様々な議論が常にある。「効く・効かない」の議論もあるが、急性白血病など血液のがん疾患にはよく効く場合が多いと聞き(要確認)、「薬の成分は血流にのって運ばれるからか....。乳がんも血行性微小転移があるので、抗がん剤を使用し.....」とアレコレ考えた記憶がある。
繰り返しになりますが、非浸潤癌に対する抗がん剤治療というフレーズを目にして、ちょっと考えたことを書いただけです。よく分からない内容ですみません。
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