「えー?まだ続くの?」という声が聞こえてきそうですが....。またまたエキスパンダー挿入中やシリコン乳房の症状やトラブル関連記事です。

本題に入る前に、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会のHP内に、「2013年度乳房再建用エキスパンダー/インプラント年次報告と合併症について」という報告書があったので参考までにリンクを貼っておきます(リンクはここ)。報告基準や経験に関して施設間バラツキがあると思うので、数字をざっくりと読む方がいいかな.....と感じたけどね。

さて、
専門的なことは分からないが、エキスパンダーやシリコンは、大胸筋の裏にポケットを作り挿入すると理解している。ポケットの作り方の基本は同じだが、病院や医師によって多少異なると思う。医師の技の領域もあるし、再建乳房の形状や体型、乳がん手術後の状態などの要因にも影響を受けると思う。

私のシリコンは
上半分程度は大胸筋の下に(皮膚・皮下組織・大胸筋・シリコン)、下半分程度は皮膚・皮下組織のすぐ下にあると主治医から聞いている。乳がん手術後に残された皮膚・皮下組織が薄いので、交通事故などでシリコン乳房の皮膚が大きなダメージを受けたら、大胸筋がない下半分からまずシリコンが露出するんだろうな...なんて思ったりしている。

以前、主治医との雑談時にこのことを呟いたら、「大胸筋も数ミリ(かなり薄いと思った記憶が)。シリコン乳房が交通事故などで大きな衝撃を受けたら、皮膚・皮下組織の厚さや大胸筋の有無に関係なくシリコンが露出する可能性が高い」と言っていた記憶があるが定かではない。外らから大きなな力がかかれば、シリコンが破損しなくてもシリコンが露出したり、シリコン自体が破損したりする可能性があると理解している。

で、これから述べることは、こういった外的要因以外の人工物の破損や、挿入した人工物が動いてしまうことについて。

【⑤人工物の破損】

エキスパンダーの場合
★お水注入時に損傷
医師がエキスパンダーに生理食塩水を注入する時は、磁石みたいな器具で注入口を確認しそこからお水を注入する。詳しいことは分からないが、お水注入時にエキスパンダーに注射針?を刺してしまい、エキスパンダーに穴が空いてしまったケースを知っている。人間なので100%はないからね。傷口などからお水が出てきたりするとエキスパンダーの破損に気づくが、手術をして実際にエキスパンダーの状態を見ないと破損の有無が分からないケースもある。まぁ、後者の場合は、お水を入れてもあまり膨らまないという状態になると思うので、「破損しているんだろうな....」という推測はつくのだと思うが。

★原因を特定できない破損
エキスパンダーの耐久性についてはよく分かっていないと理解している。「長年挿入したままでも問題はない、身体への影響はない」とされているが、エキスパンダーは皮膚を伸ばすためのもの。万が一破損してしまいお水の注入により膨らますことが出来なくなったら、皮膚拡張という目的を果たせなくなる。なので、「シリコンへの入れ替えが可能になったら、なるべく早く入れ替えた方がいい」と説明を受けた。

また、エキスパンダー挿入中にはMRI検査が受けられないので(お水注入口部分は金属?)、その点からも不必要にエキスパンダーのままで放置しておくのはよくないと思う。私の再建仲間の中にも「医師から脳のMRI検査が必要と言われたが、エキスパンダー挿入中だったのでMRI検査が出来なかった」という人がいる。

ただ、私の病院ではエキスパンダーを挿入した状態で抗がん剤治療を受ける人もいる(昨日の記事参照)。術後の病理検査の結果、化学療法が必要になった場合は、エキスパンダー挿入期間が半年から1年伸びることになってしまう。化学療法中に心臓に重篤な副作用が出てしまったなどやむを得ない理由で3年以上エキスパンダーが入ったままの方々に会ったこともある。

シリコンの場合
★コヒーシブシリコン・アナトミカル型の耐久性は未知数
私が挿入しているアラガン社のコヒーシブシリコン・アナトミカル型の耐久性については正確なデータがない、現在進行形でデータをとっている段階と聞いている。「10年は持つだろう」と期待しているが分からない。「コヒーシブシリコンの場合は、破損しても体内に流れ出すことはないので、ちょっとした破損なら外から破損が分からない・気づかない。が、破損を疑う症状や兆候は症例からある程度は分かっている」と説明を受けた。それで、私の病院では、シリコン挿入から5年を経過し協力が可能な方を対象に、シリコンの状態や破損を確認するためのMRI検査を実施している(少し前から始まった)。

コヒーシブシリコンが破損した場合の身体への影響については、「問題なし」と説明された。「私が挿入しているコヒーシブシリコンは、シリコンの外側が破損し中身が出て来ても形が少し変わるだけ。シリコンはその場所に留まり体内には流れ出ない。硬さは違うが外側も中身も同じシリコン」といったような説明だったと思うが全く自信がない。シリコンの周りには被膜も出来ているし、問題ないんだろうな.....と今は思っている。

★ドレーン
私の病院はでは、通常、シリコン・インプラント手術後は、ストローの短いようなドレーンを5本程度外から刺す(挿入する)。ここでも人間は100%ではないので、ドレーンを刺す(挿入する)時にシリコンを傷つけてしまう場合があるとか。ちなみに、私は挿入シリコンが大きかったこと、排液量が多い体質などから、インプラント手術後は乳がん手術同様のドレーンが1本だけ挿入された。そして、ドレーンを持ち帰った。

【⑥人工物の回転やズレ】

挿入したエキスパンダーやシリコンが回転したり動いてしまうことがある。先に述べたように、医師によって多少異なる大胸筋裏のポケットの作り方や挿入方法にも影響を受けると思う。

ラウンド型のシリコンは挿入後に上下の位置が逆になってもラウンド型なので問題がない。一方、アナトミカル型(しずく型)のシリコンは上下の位置が逆になるなど動いてしまったら問題なので、動かないようにポケットを作り挿入すると聞いている。ラウンド型での再建が多い北米では、シリコンが動いてもいいような挿入ポケットを作るのか、「アナトミカル型だと挿入後に上下が逆になってしまうリスクがあるが、ラウンド型だとその心配はない」という説明がされているようだ。

つづく......

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