機体は大きく右に旋回し、高度を上げてゆく。
街の灯りがみるみる遠ざかり、吸い込まれるような暗闇が窓を覆い尽くす。
5月23日、午前0時にリマのホルヘ・チャベス国際空港を離陸したユナイテッド航空855便は、
約7時間で目的地ヒューストンのジョージ・ブッシュ国際空港に到着するはずだから、
今夜はゆっくりと眠ることが出来る。

美味しくも不味くもない機内食を食べながら、南米最後の数日間を思い出していた。
僕が最初にあの店に足を踏み入れたのはやはり曇り空の日だった。
僕は客引きのおばちゃんに連れられ、リマの眼鏡店が集まる一角に向かった。
眼鏡がずっと欲しかった僕は「またダメなんだろ、作れやしないよ」と冷やかし程度に考えていた。
この旅では主にコンタクトレンズを使っていたが、移動日やPCを触るときは眼鏡をしていた。
だけど、僕はその相棒をパラグアイの安宿に置いてきてしまったのだ。
この旅始めての貴重品の紛失だった。
ザックのどこを探しても見つからなかった日の夜は絶望に打ちのめされ泣いた。
視力の悪い人間にとって眼鏡は無くてはならないアイテムなのだ。
仕方なくコンタクトだけの日々を送ることになったのだが、
その後訪れたパタゴニアの強烈な紫外線にやられ、僕の目はとっくに限界を向えていた
それからというもの、チリのサンチアゴ、ボリビアのラパス、ペルーのクスコと眼鏡店を回ったが
どこも売ってはくれなかった・・・南米では医者の診断書が必要らしい。
日本のように店舗の奥で眼圧や視力を測ってくれる店など存在しなかった(゚ーÅ)
今回もだめなんだろうなと思って店主に尋ねると案の定
「セニョール、プリメーラ バ ア ラ ドクトル ポルファボ-ル」
(あなたは最初に医者のところに行く必要があるわ)
やっぱりだぁぁぁ・°・(ノД`)・°・
そうだね、ありがとうと言って店を出た。
儲けを逃した客引きのおばちゃんはチッと舌打ちをした。
どうでも良かった。
もうアメリカにかけるしかない!!!
と思いながら歩いていると、大通りに一際大きな店舗を構えている眼鏡店を発見した。
日本で言うならZoffやJINSのような安くてお洒落な雰囲気だ。
あそこならもしかして・・・
「キエロ コンプラール ノ カロ ガファス!!!」
(僕は高くない眼鏡を買いたいんだ!!!)
眼鏡に使える資金は余りなかった。
必死に訴える僕におばちゃんは戸惑いながらもオススメを出してくる。
レンズ込みで2400円ぐらいの品だ。
いいねいいねこれにしよう☆
でも、医者には行ってないし診断書もないよと言うと、
「奥にドクトルがいるわ」
オーマイ ムハンマド
神はいらっしゃるのですね
さっそく医者の診察を受ける、機材もしっかりしていて日本と遜色ない
しかも!
ここのドクター日本語が少し喋れる!!!
なんとゆう巡り合わせ☆
視力を測るのに日本語があるとないのとでは全く違った。
色々なレンズを交換しながらピントを合わせたり、視力に合うレンズを選んでいくのだが、
微妙なニュアンスを伝えるのにはやはり日本語は優れている。
横浜で仕事をしていたというDr.ガブリエルのおかげで無事診察完了♪
あとは完成を待つのみさ☆
だがここで、おばちゃん店員から余りにも酷い宣告を受ける・・・
「あなたは目が悪すぎるから特殊なレンズが必要よ、そうね2万円だわ」
はぁぁぁぁぁぁぁぁ???????
2400円って言ったろうがヾ(。`Д´。)ノ
高すぎだろ!!!アホ!
一気に買う気をなくす、Drガブリエル、君には悪いけどこれは無理な相談さ
すると何かを察したのかおばちゃんが電卓を叩き始め、
なんと値段が1万2千円になった。笑
なにも言ってないのに8千円も下がったぞオイ
これ以上は下げれないと言うが、今の俺にはまだ高いし
ましてや日本ならもっと安く買えるから言ってやった。
日本ならこれは5000円だね。
眉間にシワを寄せおばちゃんは再び電卓を叩き出した。
そして提示された金額はなんと5400円!!!
2万円が3分で1/4になりました。笑
最初からその値段を出せやゴルァァァ!と思いつつも
いい人検定1級を所持する僕は、そんな事はおくびにも出さず買いだと伝え支払いを済ませた。
受け取りは二日後の午後2時だという。
念願の眼鏡をゲット出来ることになった僕は天にも昇る気持ちでで街を観光した。

ミラフローレスの街中に突如現れるワカ・プクヤーナ遺跡

プレインカ時代の階段状ピラミッド
ここは雨の少ないリマなので全て日干しの煉瓦で出来ているのだが、
ナスカやマチュピチュなどの山岳地帯は、雨が多くて土で作った煉瓦では役に立たないので、
石の文化が花開いたんだろうと勝手に想像する。

街中では、鳩を素手で捕まえる少年がいる

逃げまどう鳩を無理矢理捕まえる、結構凄い
どうにか2日間時間を潰して眼鏡を受け取りにいく。
約束の2時に行ったのに、出来てないとか。。。
出来るのは19時って、俺は今日18時には空港に行くんだ!
おばちゃんがどこかに電話して、16時に出来るから2時間後に来てとのこと。
2時間後に無事受け取る、出来るなら最初からそうしてください。
南米は時間を早めに言うクセがある、バスも大概予定時刻より遅れるし。
宿に戻り、クスコからマチュピチュ、ナスカと一緒だったYUTA君と一緒に空港へ向かう。
ナスカで1度別れたYUTA君とノリさんは退院後リマに来て同じ宿に泊まっていた。
YUTA君とノリさんはアフリカで出会って付き合いだし数ヶ月一緒に旅をしてきたらしい
その二人もこれからは行き先が別々になるので、ここリマでしばらくのお別れ。
僕は先にノリさんに別れを告げてTAXIを拾いに行く☆
邪魔者はいない方がいいもんね
ノリさんはこのあとエクアドル、コロンビアを抜けて陸路で中米をメキシコまで進むらしい。
中米を行くのは羨ましいけど、治安も南米と変わらず危なそうだ。
(そんなノリさんは現在カリブ海に面したパナマに滞在中、電気もないしトイレも1日に1回しか流れないらしい・・・)
ほどなくして空港に到着

ユナイテッド航空にちぇっくいん!
ここでYUTA君ともお別れ、彼はこれからチリのサンチアゴまで飛び、
翌朝すぐにイースター島へ飛ぶらしい。
その後アルゼンチン、ブラジルからフランス領ギアナ、スリナム、ガイアナ、ベネズエラと回り
南米全ての国を制覇するようだ。
なんとも凄い、ガイアナやスリナムはバックパッカーでも中々訪れない国だろう。
(そんな彼は現在ブエノスアイレスでタンゴを踊っているとか)
一人になって時間を潰していると

なぜか西宮消防のジャンパーを着た人発見、凄いセンス。

ルイス・ハミルトンが使ったF1のハンドルが飾られていた。
とまぁ、別にオチも何もない南米最後の記憶。
振り返ると南米は素晴らしい景色が沢山あった、自然が多く残り人も陽気で暖かい
アジア・ヨーロッパよりも楽しいと皆が言うのがわかった気がした。
南米を離れ飛行機は徐々にアメリカのヒューストンに近づいていく。
世界一周最後の訪問国アメリカ、いったいどんな面白いことがあるだろう。
胸の中を感動に似た熱い何かが走り抜けた。

到着までには少し時間がありそうだ、もう一眠りするとしよう・・
街の灯りがみるみる遠ざかり、吸い込まれるような暗闇が窓を覆い尽くす。
5月23日、午前0時にリマのホルヘ・チャベス国際空港を離陸したユナイテッド航空855便は、
約7時間で目的地ヒューストンのジョージ・ブッシュ国際空港に到着するはずだから、
今夜はゆっくりと眠ることが出来る。

美味しくも不味くもない機内食を食べながら、南米最後の数日間を思い出していた。
僕が最初にあの店に足を踏み入れたのはやはり曇り空の日だった。
僕は客引きのおばちゃんに連れられ、リマの眼鏡店が集まる一角に向かった。
眼鏡がずっと欲しかった僕は「またダメなんだろ、作れやしないよ」と冷やかし程度に考えていた。
この旅では主にコンタクトレンズを使っていたが、移動日やPCを触るときは眼鏡をしていた。
だけど、僕はその相棒をパラグアイの安宿に置いてきてしまったのだ。
この旅始めての貴重品の紛失だった。
ザックのどこを探しても見つからなかった日の夜は絶望に打ちのめされ泣いた。
視力の悪い人間にとって眼鏡は無くてはならないアイテムなのだ。
仕方なくコンタクトだけの日々を送ることになったのだが、
その後訪れたパタゴニアの強烈な紫外線にやられ、僕の目はとっくに限界を向えていた

それからというもの、チリのサンチアゴ、ボリビアのラパス、ペルーのクスコと眼鏡店を回ったが
どこも売ってはくれなかった・・・南米では医者の診断書が必要らしい。
日本のように店舗の奥で眼圧や視力を測ってくれる店など存在しなかった(゚ーÅ)
今回もだめなんだろうなと思って店主に尋ねると案の定
「セニョール、プリメーラ バ ア ラ ドクトル ポルファボ-ル」
(あなたは最初に医者のところに行く必要があるわ)
やっぱりだぁぁぁ・°・(ノД`)・°・
そうだね、ありがとうと言って店を出た。
儲けを逃した客引きのおばちゃんはチッと舌打ちをした。
どうでも良かった。
もうアメリカにかけるしかない!!!
と思いながら歩いていると、大通りに一際大きな店舗を構えている眼鏡店を発見した。
日本で言うならZoffやJINSのような安くてお洒落な雰囲気だ。
あそこならもしかして・・・
「キエロ コンプラール ノ カロ ガファス!!!」
(僕は高くない眼鏡を買いたいんだ!!!)
眼鏡に使える資金は余りなかった。
必死に訴える僕におばちゃんは戸惑いながらもオススメを出してくる。
レンズ込みで2400円ぐらいの品だ。
いいねいいねこれにしよう☆
でも、医者には行ってないし診断書もないよと言うと、
「奥にドクトルがいるわ」
オーマイ ムハンマド

神はいらっしゃるのですね

さっそく医者の診察を受ける、機材もしっかりしていて日本と遜色ない
しかも!
ここのドクター日本語が少し喋れる!!!
なんとゆう巡り合わせ☆
視力を測るのに日本語があるとないのとでは全く違った。
色々なレンズを交換しながらピントを合わせたり、視力に合うレンズを選んでいくのだが、
微妙なニュアンスを伝えるのにはやはり日本語は優れている。
横浜で仕事をしていたというDr.ガブリエルのおかげで無事診察完了♪
あとは完成を待つのみさ☆
だがここで、おばちゃん店員から余りにも酷い宣告を受ける・・・
「あなたは目が悪すぎるから特殊なレンズが必要よ、そうね2万円だわ」
はぁぁぁぁぁぁぁぁ???????
2400円って言ったろうがヾ(。`Д´。)ノ
高すぎだろ!!!アホ!
一気に買う気をなくす、Drガブリエル、君には悪いけどこれは無理な相談さ
すると何かを察したのかおばちゃんが電卓を叩き始め、
なんと値段が1万2千円になった。笑
なにも言ってないのに8千円も下がったぞオイ
これ以上は下げれないと言うが、今の俺にはまだ高いし
ましてや日本ならもっと安く買えるから言ってやった。
日本ならこれは5000円だね。
眉間にシワを寄せおばちゃんは再び電卓を叩き出した。
そして提示された金額はなんと5400円!!!
2万円が3分で1/4になりました。笑
最初からその値段を出せやゴルァァァ!と思いつつも
いい人検定1級を所持する僕は、そんな事はおくびにも出さず買いだと伝え支払いを済ませた。
受け取りは二日後の午後2時だという。
念願の眼鏡をゲット出来ることになった僕は天にも昇る気持ちでで街を観光した。

ミラフローレスの街中に突如現れるワカ・プクヤーナ遺跡

プレインカ時代の階段状ピラミッド
ここは雨の少ないリマなので全て日干しの煉瓦で出来ているのだが、
ナスカやマチュピチュなどの山岳地帯は、雨が多くて土で作った煉瓦では役に立たないので、
石の文化が花開いたんだろうと勝手に想像する。

街中では、鳩を素手で捕まえる少年がいる

逃げまどう鳩を無理矢理捕まえる、結構凄い
どうにか2日間時間を潰して眼鏡を受け取りにいく。
約束の2時に行ったのに、出来てないとか。。。
出来るのは19時って、俺は今日18時には空港に行くんだ!
おばちゃんがどこかに電話して、16時に出来るから2時間後に来てとのこと。
2時間後に無事受け取る、出来るなら最初からそうしてください。
南米は時間を早めに言うクセがある、バスも大概予定時刻より遅れるし。
宿に戻り、クスコからマチュピチュ、ナスカと一緒だったYUTA君と一緒に空港へ向かう。
ナスカで1度別れたYUTA君とノリさんは退院後リマに来て同じ宿に泊まっていた。
YUTA君とノリさんはアフリカで出会って付き合いだし数ヶ月一緒に旅をしてきたらしい
その二人もこれからは行き先が別々になるので、ここリマでしばらくのお別れ。
僕は先にノリさんに別れを告げてTAXIを拾いに行く☆
邪魔者はいない方がいいもんね

ノリさんはこのあとエクアドル、コロンビアを抜けて陸路で中米をメキシコまで進むらしい。
中米を行くのは羨ましいけど、治安も南米と変わらず危なそうだ。
(そんなノリさんは現在カリブ海に面したパナマに滞在中、電気もないしトイレも1日に1回しか流れないらしい・・・)
ほどなくして空港に到着

ユナイテッド航空にちぇっくいん!
ここでYUTA君ともお別れ、彼はこれからチリのサンチアゴまで飛び、
翌朝すぐにイースター島へ飛ぶらしい。
その後アルゼンチン、ブラジルからフランス領ギアナ、スリナム、ガイアナ、ベネズエラと回り
南米全ての国を制覇するようだ。
なんとも凄い、ガイアナやスリナムはバックパッカーでも中々訪れない国だろう。
(そんな彼は現在ブエノスアイレスでタンゴを踊っているとか)
一人になって時間を潰していると

なぜか西宮消防のジャンパーを着た人発見、凄いセンス。

ルイス・ハミルトンが使ったF1のハンドルが飾られていた。
とまぁ、別にオチも何もない南米最後の記憶。
振り返ると南米は素晴らしい景色が沢山あった、自然が多く残り人も陽気で暖かい
アジア・ヨーロッパよりも楽しいと皆が言うのがわかった気がした。
南米を離れ飛行機は徐々にアメリカのヒューストンに近づいていく。
世界一周最後の訪問国アメリカ、いったいどんな面白いことがあるだろう。
胸の中を感動に似た熱い何かが走り抜けた。

到着までには少し時間がありそうだ、もう一眠りするとしよう・・