彼らは日本で生まれ育ち、出会い、夫婦となって世界中を旅していた。

彼らはブログを書きながら世界一周をしており、
ここ数年旅人の間ではとても有名だった。


そんな二人が亡くなったとの知らせが2週間前に届いた。


ボリビアの首都ラパスで夫婦揃って亡くなったとの知らせは、
旅人の間でFacebookやTwitterにより情報が瞬く間に広がり、
現地のニュース記事も知れ渡る。


突然のことで言葉に出来ない程のショックを受けた。
ほんの数日前までやり取りしていたし、今頃ウユニ塩湖を楽しんでいると思っていたのに。


死因はマラリアで、南米入りする直前に訪れたアフリカで感染しラパスで発症。
二人は体調が優れないのを高山病だと思い、病院に行くのが遅れたらしい。


奥さんは薬剤師だったし病気の知識もあったと思うが場所が悪かった。
発症したのは殆どの人が高山病にかかる高地ラパス。
俺もウユニとラパスで1日ずつだが、吐き気と頭痛に襲われて寝込んでいる。
誰だって高山病と思い安静に治るのを待つだろうし判断が遅れる可能性がある。


来たばかりの慣れない土地、さらに病院でさえも英語が通じにくい南米。
もし発症したのがボリビア入りする前に立ち寄ったスペインだったら?
ラパスよりも医療が発達しているし、英語も通じるだろう。
今更こんなことを考えても何にもならないが・・・



今回は他にも色々な要因が重なっての不幸だが、忘れてはならないのは、
いわゆるバックパッカーの旅、そしてツアーで行くような旅行
そのどちらにも常に危険が寄り添っているということ。


爆破テロやゲリラ、転落事故に山奥での遭難、野犬
イタリアでの誘拐未遂、中国で青龍刀で殺されかけたり、
暴動に巻き込まれ軟禁、ブラジルで銃強盗、山間部での山賊
北欧でのナイフ強盗など、自分や周りの人皆危険な目にあっている。


自分は運が良かった。
大きな病気もなく、窃盗や詐欺にもあっていない(偽警官はいたが)
南米入りする頃には、旅が長引いていた為に旅行保険も切れていた。
日本を出る前はあんなに気を引き締めていたのに、
途中からは旅慣れからか気が緩んでいた。


南米入りする前はさすがに気を引き締め直したがそれもすぐ緩む・・・


旅は不安や危険なことが一杯あるけど、
それ以上に知らない国、文化を体験することは魅力的で
その場所に行かないと分からない人や街の空気があり、
皆、旅に魅了されていく。


ここ数年、世界一周がブームになり始め書籍が並び、
ブログを書いてる人がいて、いたるところに情報が溢れている。
今の時代じゃ世界一周なんて珍しくも何ともないけど
これから旅に出ようと考えてる人や今旅してる人たちは
常に安全に気をつけて無事に帰ってきて欲しい。



タビロックのような悲しみが起こらないように。




最後に、タビロックのお二人へ。


最初にお会いしたのは真冬のエストニアのタリンで、
あんな小さな国の小さな町で、日本人と同じ宿になるとは思ってもいませんでした。
その後一緒にラトビア、リトアニアとバルト三国を、
約2週間一緒に旅して本当に楽しかったです。

二人に感化されブログに写真を載せ始め、
一緒にサンドイッチを作って食べたり、
夜の移動も3人なのでとても心強かったのを覚えています。

ずっと一人で旅していたので、二人が仲良く旅されてるのを見て、
とても羨ましく思っていました。


$Going Outside


これからも天国で仲良く旅を続けてください。
お二人が綴った世界一周のブログはこれからも残り、世界を旅する人たちに読まれ、
世界や旅の素晴らしさを伝えてくれると思います。


Going Outside


心よりご冥福をお祈りいたします。



$Going Outside