何の前触れもなく突然頭に思い浮かんだ、遠い遠い記憶。
それは20代の頃に好きだったイラストレーターのことでした。
1990年代初頭。
バブル景気真っ只中で、私は大学生。
好きなイラストレーターが2人いました。
1人はすぐに、絵柄も名前も思い出せました。
ノーマン・ロックウェルです。
アメリカの庶民を描いた、可愛げのない写実的なイラストですが、その当時とても人気がありました。
梅田ロフトなんかに行くと、ノーマン・ロックウェルのイラストが施されたグッズがたくさん売られていたものです。
私もグッズはいろいろ持っていて、中でも数枚所持していたTシャツは、気に入って着倒していましたね〜懐かしいなぁ。
海に行くと必ずビーチで着てましたっけ。
で、もう1人の好きだったイラストレーターの名前が、どう頭を捻っても全く思い出せないのです。
絵はちゃんと覚えているんです。
シンプルでおしゃれな風景画で、海外の人なんだけど神戸の異人館を描いたものもあって、一時期神戸で発行されていた交通フリーパス「アーバンリゾートパス」のイラストにも採用されており、私も何度か利用して、たぶん今でも家のどこかに使用済みのカードがしまってあるはずです。
今の天皇・皇后両陛下のご成婚の日に発行されて「慶」の文字が入ったアーバンリゾートパスも所有しています。
また、このイラストレーターのジグゾーパズルが当時とても人気があって、私もひとつ買って、完成品を額に入れて実家に長いこと飾っていたんですよね。
そこまで好きだったのに思い出せず、あの手この手でネット検索。
ようやくわかったその名前は、トーマス・マックナイトでした。
そうそうそうそう!
トーマス・マックナイト!
懐かしい。
今でもジグゾーパズル買えるのかしら?と思って調べてみたら、もう販売はされていない模様。
メルカリ等で未開封品の価格が高騰していたのにはビックリ。
私が持ってたパズルは「ミコノスハーバー」という絵だったみたい。
懐かしい。
今見てもオシャレよね。
再度ネットで調べてみたところ、1993年の神戸にて「アーバンリゾートフェア神戸‘93」というのがあったようです。
フリーパスの発行はこのフェアの一環だったんですね。
昔すぎて全然覚えてないけど。
思えばこの頃の神戸は勢いがありました。
異人館や南京町は大人気の観光地でしたし、ダチョウ倶楽部がCMしていた大型プール「アオイア」もあったし、遊園地「ポートピアランド」も楽しかったですし、六甲アイランドも当時はまだ珍しかったシネックスが賑わっていて、商業施設も次々に新しいものができて、デートスポットとしてとても賑わっていました。
何より三宮周辺のオシャレ度ときたら、関西イチだったんじゃないでしょうか。
それらが全て、1995年の阪神淡路大震災でめちゃくちゃになり、元通りの賑わいは今も取り戻せていません。
「神戸は元気がなくなった。」
数年に一度くらいは神戸に行きますが、行くたびにそう思います。
寂しい限りです。