YouTubeで、クワバタオハラのくわばたりえさんのチャンネルを見ました。
小6息子が行方不明になった時の生きた心地のしない地獄の時間。
という動画です。
このタイトル見ただけで、震え上がりましたわ。
なぜなら、身に覚えがあるから
先にくわばたりえさんの動画内容を簡単に説明すると、くわばたさんが仕事の帰りに新幹線に乗っている時に発覚した「夜7時なのに長男が家に帰っていない」という一大事件があって、息子さんが無事とわかるまでの1時間半、くわばたさんが地獄の思いをした、というお話です。
私もほぼ似たような経験をしました。
あれは息子が小3か小4の時。
ここでも散々書いてきた通りの、ちょっといろいろ足りない息子なもんで、その日学校から帰ってきた時に何かの理由(もう全く覚えていない)で、めっっっちゃくちゃ息子のこと叱ったんです。
そりゃもう、こっぴどく。
息子は黙ったままリビングを出て、しばらくしたら玄関ドアの開く音がしました。その時、午後4時くらい。
どこかに遊びに行ったんだろう、くらいにしか思わず、私はいつも通りに家で過ごしていました。
当時、息子の門限は午後6時。
しかし門限を過ぎても帰ってこない。
あいつめ〜また帰ってきたら大目玉くらわさなあかんなぁ!と怒りつつ夕飯の準備をしてました。
準備が出来て、配膳まで終わってもまだ帰ってこない。
ん?何かおかしい。これは…?
ピンと来て、息子の持ち物をチェックしてみたら、なんとリュックが無い。
普段遊びに行く時、息子がリュックを持ち出すことはありません。
あ、これ家出??
その時点で午後7時前後。
とりあえず、まだ仕事中の夫に「息子が帰ってきていない」ことを連絡し、私は自転車で息子が行きそうな近所の公園等を探しまわりました。
そうしたら、息子と大の仲良しの同級生A君のお母さんと道でバッタリ出会いました。
向こうも何やら慌てた様子。
で、私を見るなり「うちのA、見ませんでしたか??」と言うではありませんか。
詳しく話を聞いてみたら、こういうことでした。
A君も、お母さんに何かの理由でメタクソに怒られたあと、弟のB君と家を出たきり帰ってこない。
…と。
しかも、いなくなる前にうちの息子がA君の家に来てしばらく一緒に遊んでいた、と。
私も、「うちもこうこうこうで、リュックも持ち出していて帰ってこないから探してる」と答えました。
あ、3人一緒に家出したね。
意見一致。
ほどなくしてうちの夫とA君のお父さんも加わって、4人で捜索。
午後8時半だったか、警察にも連絡しました。
(家出と予想できたため、事件性は低いという判断から警察への連絡は遅めになりました)
警察はすぐに動いてくれて、「◯◯でそれらしい子供3人の目撃情報あり」などの途中経過を逐一教えてくれました。
その夜の私の心理状態たるや、半狂乱と妙な諦めの入り混じった不思議なものでした。
A君ちの裏は広い田んぼで、その時期ちょうど水が張られたばかり。
探しまわる途中で、明かりが少なく真っ暗なその田んぼの畦道を自転車で走っては、「もしかしてここに落ちて溺死してるのでは?」と思ったり、川や用水路の横を通りながら、「もしかして、ここに落ちた?」と立ち止まって必死で覗き込んでみたり。
さらには、悪い大人に何かをされている絵面が、やたら具体的に脳裏によぎったり。
息子に何かあったら親や親戚に何て言えばいいの?と、その場面をあれこれシミュレーションしてみたり。
かと思えば、「3人兄弟の長男で常日頃からしっかりしていて頼もしいA君と一緒なら、絶対に大丈夫!」と自分に言い聞かせてみたり。
いろんな考えが次々と頭に浮かんで、まさに生きた心地がしませんでした。
午後9時半、3人は見つかりました。
家の方角に向かって歩いているところを、A君のお父さんが発見したのです。
連絡を受けて、別々の場所にいた私と夫は自宅前に戻って待機。
A君のお父さんと警官に連れられて、息子たち3人は一緒に帰ってきました。
夫と私の顔を見るなり、安心したのか息子は泣き出しました。
A君のお父さんと警官にお礼とお詫びを言って家に入り、すっかり冷たくなった夕飯を家族3人で食べました。
どこ行ってたん?とか話しながら。
息子には、たくさんの人に迷惑をかけたこと、親に心配をかけたこと、自分を大切にしなかったことはとてもいけないことだと言って聞かせるに留めましたが、一点だけ、下級生のB君まで道連れにしたことについては叱りました。
「お前は帰れ」と言わなあかんかったやろ?と。
息子は納得して反省していました。
それから、私がキツく叱ったことについては謝りました。
お母さん言い過ぎたごめん、と。
今ではこの家出事件、笑い話になっています。
というのも、息子が帰宅した後に片付けたリュックの中身が、
①田植えの季節だというのに冬物の洋服
②靴下が片一方だけ
③着替えといえばまずこれ!というパンツが一枚も入っていない
と、無茶苦茶だったからです。
なんも考えてへんやん!
でも、何もなくて良かった。
我が子の命や幸せより大切なものなど、この世にありません。