浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』読了。



殺人事件も刑事事件も起きないけど、確かに「事件」は起きて「犯人」を炙り出していくミステリ仕立てだ。
最初からミスリードするように仕組まれている。
ほぼ一気読み。
途中、激しく人間不信に陥りそうになる。
えー、こわいよ、人間てこんなに表面と違うんだっけ?信じちゃいけないの?なんて、
この年になっても戦慄してしまった。
この本、これから就活する人、就活中の人が読んだらやばくない⁉️
でも、待って、人が書いた本でそう思わされたってことは、ある意味作家を信じているってことだよね、やっぱり人を信用しないと何も始まらないよと、思い直した。
巻末では、人間、他人に見せない汚点があったりするけど、いいやつだと思うやつは基本的にいいやつなんだよという慰め?があった。
就活という特異な時期に就活生というユニフォームを着てライバルとして出会ってしまった若者の悲劇。
驚きの「犯人」と「動機」は青臭いのか狂気なのか、どちらにも読めた。