映画『ドライブ・マイ・カー』を観た。



昨年秋頃の公開だったけど見逃していた。
米国アカデミー賞にノミネートされたということで一部映画館では再映しているのだろう。
外国語映画賞ではなくて本選へのノミネートという快挙。
この機会を逃すまいと勇んで観に行ったが、
観なくてもよかった。
3時間、心が波立つことはなかった。
「セックス」と「喪失」と
「どうしようもない生」。
村上春樹ワールド全開だ。
原作は短編集の中の本当に短い短編。未読。
劇中劇にもなっているチェーホフの『ワーニャ伯父さん』の台詞がくどいほど繰り返されて、どうやら映画の中の人々にはグサグサ刺さりまくりのようだが、スクリーンを観ている私には刺さらず。
西島秀俊演じる演出家兼俳優が、愛する妻が何人もの男とセックスしているのを知っていて、本当は傷ついて怒りたいのに、そういう自分を認められずに、そうと気がついた今は既に妻は亡くなっていて、どうしようもないけど生きていくしかないんだ!そして死んだら神様に私は苦しみました泣きましたって言いましょう!
みたいな、
本当にどうしようもないですねっていう。
母親に虐待されていて土砂崩れのとき自分だけ逃げて、自分は母親を殺したと思っているドライバーとか、セックスや暴力に歯止めのきかない妻の男だった俳優とか、韓国語手話で話し演じる女性とか、いろんな国籍老若男女がそれぞれの言語で演じている『ワーニャ伯父さん』とか、そういうのがノミネートされた理由なんかな???
???
いつからだろう、もうずーっと前から村上春樹の新刊が出ても興味を持てない。
昔むかーし学生時代には『羊をめぐる冒険』の考察を小論文にして、現代文学の講義で高い評価をもらったりしたけど、今は翻訳家としての村上春樹のほうが好ましいと思っていたりする。
ハルキストの皆さん、ごめんなさい。
ノーベル文学賞もらったら、またミーハーに読み出すかもしれない、ごめんなさい。
あ、話がずれた。
村上春樹は悪くないですね、映画がつまらなかったんです。