歌舞伎『怪談 牡丹燈籠』を観たのは2回目。

1回目は1997年(平成9年)5月の松竹座でした。

 

伴  蔵     三津五郎(当時八十助)     

お  峰     福助         

お  露     孝太郎     

お  米     吉之丞(先代)     

萩原新三郎      鴈治郎(当時翫雀)

船  頭

三遊亭円朝      三役 勘三郎(当時勘九郎)          

馬子  久蔵

 

なんと、愛之助さんと吉弥さんが

笹屋の酌婦、お梅とお絹役で出演していました。

 

 

ずっと後悔していたのですが

新幹線の都合で最後まで観られなかったので

いつかちゃんと観たいという願いが

27年経って、やっと叶いました。


 

 

今回は

 

お  峰      玉三郎      

伴  蔵      愛之助     

お  露      玉朗      

お  米      吉弥      

萩原新三郎       吉之丞   

船      頭      梅大            

馬子 久蔵     功一    

医師山本志丈    千次郎

 

前回は円朝が落語で経緯をまとめていましたが

(おぼろげな記憶)

今回は一幕と二幕のはじめに志丈が語りました。

 

笹屋の酌婦は折乃助さんと吉太朗さん。

数日前に吉太朗さんの名題試験合格を知ったので

「おめでとうございます!!」の念を客席から送りました。

 

 

 

今回はお露の父親とお国の過去が省かれていて

物語がわかりやすくなっていたようです。

 

貧しい頃の伴蔵とお峰はお互い思いやる気持ちがあったのに

幽霊から手に入れた百両を元手に荒物屋で成功した今

お峰は伴蔵の浮気に悩まされています。

久蔵から詳細を聞き出したお峰が伴蔵を追求するときの

言い方、表情、ネチネチ感にゾクゾクワクワクしました。

 

私が観られなかった前回の結末は番付によると

【お峰が過去の悪事を言いふらすのではと疑った伴蔵が

土手で妻を斬殺し、立ち去ろうとした伴蔵を

川の中から伸びてきたお峰の手が引きずり込んだ】

とありますが

今回はお露の霊に憑りつかれたお峰を伴蔵が刺殺し

伴蔵は牡丹燈籠に誘われて死に場所へ向かうのだろうな

という幕切れでした。

前回の方が怪談らしい恐怖は増しますが

ふたりは夫婦喧嘩後に仲直りをしたところなので

今回の方が受け入れやすいかなと思います。

 

円朝が言いたかったことは「幽霊より怖い人間の本性」です。

(番付より)

前回は自分の欲望を満たすためなら

躊躇なく他人の命を奪う人ばかりだったので

観劇後に気持ちがどんよりしたことを思い出しました。

 

今回は人間の欲望を描きながら

お峰伴蔵夫婦に重点をおいて描かれていたので

どんよりとなりませんでした。

 

どちらの描き方もおもしろいので

3回目の牡丹燈籠を観る機会があれば

松竹座バージョンでどんよりしたいです。

 

 

 

 

 

今回は入場すると無料のパンフレットが配布され

配役、解説と見どころ、出演者の写真(カラー)が

掲載されていました。

本当に嬉しかったです。