「先祖返り」というか、「一周回って」というか、アスリートのトレーニングや吹奏楽やマーチングのトレーニングに、「以前聞いたことがあるなあ」というのが、復活していたりしますね。

 

 私が某・都道府県(このうちのどれかですが)で吹奏楽連盟の理事をしていたときに、技術講習で「紙パックで呼吸トレーニング」が取り上げられました。牛乳パックやジュースの紙パックをきれいに洗ってブレストレーニングの器具につくり上げるのです。

 呼吸(ブレス)トレーニングは多くの本やDVDがあります。『必ず役に立つ吹奏楽ハンドブック』シリーズは入門編としては読みやすいと思います。一冊で、非の打ちどころのない完全なものを求めるのはダメだと思っています。

 

 ただ、呼吸のトレーニングは特に顧問の先生がそばについていただいたほうがよいと思います。先生方が忙しいのは十分承知の上で言っています。

 理由は単純です。深く息を吸ったり、吐いたりするのは、思っている以上に身体に負荷をかけているのです。具体的に言うと、過呼吸や、めまいなどの一時的な変化が出やすいからです。

 「深く息を吸ったり、吐いたりすれば当たり前じゃないの?」という人がいたら、それは正解なのですが、問題はクラクラっときて倒れて頭を打ったら。。。。などと「その先、先の先」を予測できているかです。過呼吸は初めて体験する部員にとっては一大事です。正直、恐怖だと思います。だから、始める前にはちゃんと説明しておかないといけないと思います。そばについておくことは最低限の大人の務めですよね。

 正しく筋トレをすれば筋肉痛になります(ならない場合もありますが)。間違ったトレーニングをして痛めているものとは区別すべきだと思います。

 呼吸トレーニングで過呼吸を引き起こすべきだと言っているわけではありません。でも、身体差というのはあるものですし、体格が同じだからといって同じ現象が起きるわけでもない。ほかの人では大丈夫だったのに。。。。なんてことはトレーニングの世界では当たり前だと思います。 

 吹奏楽部だからといって指導に男性・女性の差はつけなくてよいと思います。もちろん成長の度合いによって、そのときどきの言葉や行動や思考に差は出てくると思います。それを最優先で性別による差に置き換える必要はないと思います。オトコの子だから、オンナの子だからと、ひとかたまりで対策する必要はないということです。

 ただ、性別の差はないかというと、難しいと思います。たとえば医学的にみると男性よりも女性の方が膝前十字靱帯を痛める率が高いので、運動部を受け持つ先生や、マーチングのカラーガードを指導するときには着地の姿勢などに十分気を付けているはずです(これはある程度以上の負荷がかかる運動をしている場合の結果ですから、運動をしていない男女のデータではないことにも注意が必要です)。

 また、呼吸の話に戻りますが、女性の方が過呼吸を起こしやすい(もちろん男性も過呼吸になります。私がマーチングを指導していたときには、女性よりも男性がよくフラフラしていました)。だから、性別による違いがないというのではなくて、指導で第一に考えることは性別の差ではないという程度です。

 それでも心配な顧問の先生もいることでしょう。それほど心配なら、個別の指導が必要かどうかを生徒本人にたずねてみたらよいと思います。大切なことは、指導は固定したものではなくて、柔軟性が必要だということです。昨日と今日で生徒の様子が違うことのほうが当たり前なのですから、アンテナの感度を高めておくことも、顧問の務め、大人の責任だと思います。

(楽器の演奏ができる、できないの問題ではないでしょう)

 

 紙パック以外のトレーニングですか? 一時期流行したのは、入部したての中学生にはティッシュペーパーの中心にマル印を描いて、窓ガラスに息でくっつけるものですね。単純。指導者用のビデオ(中学生、高校生はビデオテープなんて、見たことありますか?)で取り上げられたので有名になったのだと思います。ティッシュペーパーではなくて、印刷用紙にすると、少し難しくなりますね。重くなりますから。

 

 個人差がありますが、ゴム風船を膨らませるのも効果的です。学校によっては、パートを決めるときの参考にしているところもありますね。でも、トレーニングとしてのほうが効果的だと思います。ただ、風船を膨らませるのが怖い人もいるので(割れることや割れるかもと考えることが怖いのですけれど)、無理強いは禁物です。呼気に含まれる水分で風船に水が入りますから、長い間使い続けることはできないです。水洗いすると傷んできますし。

 ブレストレーニングをするための器具もたくさん売っています。吹奏楽指導者の中には、ブレストレーニングは楽器を使って行えばよいと考える人もいますが、私は個人的に反対の立場です。たとえば野球やサッカーをしていれば、(トレーニングはしなくても)野球やサッカーがうまくなる、といっているのと同じですから。「なんのために」という視点が必要です。

 もう一つ比較的に安全なトレーニングを。

 ストローをくわえて呼吸するのです。呼吸しにくいですよね(当たり前ですが)。これはここ最近、スポーツトレーニングでも流行しています。木管、金管奏者ともに役に立ちます。

 マーチングの指導ではトイレットペーパーや料理用ラップの芯や、印刷用紙を丸めてテープで止めるなどしたものを床において息を吹きかけます。「短距離走」ですね。本当に、かなり大変なので、充分に注意が必要ですが、でも楽しいです。

 

 呼吸トレーニングはまだまだあるのですが、また書きます。