恐ろしい外資系企業の印象 | 海外ポスドクの就職活動日記

海外ポスドクの就職活動日記

高学歴・高年齢・海外… 
2009年、
3Kのハンディと不況にアグレッシブにチャレンジする
海外PDの新卒(?)就活記録

どもー。

何で外資系企業に興味を持つのかと言われると、
数物系の博士を名指しで募集してしているところはそこくらい
(そして勉強してきたことがクォンツの仕事で役に立つ)
という事情が一つあります。

実際、募集要項に
「クォンツは高度な数学を用いる業務であるため、
数学や物理のPhD取得者が募集の対象となっています」
という記述もありました。

もちろん、採用までの道のりは大変厳しいものです。
しかし、高い壁に挑むほど人は強くなるというところもありますから、
外資を一つの目標として筋力をつけておくと
後々役に立つだろうという狙いが個人的にはあります。


何で数学や物理の博士が金融に??、と思う人は
物理学者からクォンツに転身したEmanuel. Dermanの自伝
My life as a quant
を読んでみてください。日本語訳もあります。
数学者や物理学者からウォール街に行くというのは
アメリカでは一つの典型的なコースなのだと言えます。
むしろ、
金融分野で博士が活躍するのが欧米では普通のこと
なのです。


でも、
外資の競争のシビアさは伝説的ですよね。
よく聞くストーリーをまとめると次のようになるでしょうか:

「ある日突然、部長に呼び出される。
何の打ち合わせだろうかと思って向かうと
「今日で君を解雇する」
と、突然宣告される。
それと同時に、あらかじめ手配されたた管理部門によって
IDカードがロックされ、
もう自分の机に戻ることさえ叶わない。

(情報の流出やデータの消去を防ぐという目的がある。)
自分の机の荷物は、会社の人によって輸送で返却される。

こうして、
さっきまでそこにいた同僚が忽然と消え、
机が整理されるのを目の当たりにし
「あいつも戦死か」と呟きながらも、
次は自分かもしれないというプレッシャー中で
会社の利益を日々生み出していかなければならない。」



うーん、正に戦場ですね。
骸を乗り越えて前進できなければ、自分もやられる。。

こんな世界に入りたいかと言われると、正直僕にはまだ分かりません。
刺激的な環境で、自分のスキルを伸ばせるならばよいですが、
周りは敵だらけみたいな状況で
本当に実力を蓄えていけるのでしょうか(その人次第なのでしょうが)。
それよりも、
時間をかけて人材を育成している国内企業のほうがよいだろう、
というのが本音です。
よく聞くことですが、
「外資の高額な年棒は高いリスクの代償なのであって、
社会福祉や雇用の安定性を考えると国内企業の給料も
それほど変わらないとも言える」

おそらく、これが本当のところでしょう。
ギラギラしたギャンブラーは外資に行けばよいと思います。


僕の周りにも外資銀行GS・コンサルMc等に
就職した勇敢な人々がいます。
確かに彼らは、
今思い起こすとギラギラとした印象もありましたが、
学生時代からガツガツしていたかというとそうでもなかった気がします。

外資の人とは言え、人の子です。
大概は僕らと同じような人々であったはずです。
しかし、環境が彼らを猛獣に変えてしまうのでしょうね。

彼らは多忙なので、就職以来ほとんど合う機会はなくなりましたが、
朝3、4時まで働いているという噂も聞こえてきます。
元気でやっていてくれればそれでいい、と願うばかりです。


ところで、
これらの企業を「外資」でひとくくりに考えて
本当によいのでしょうか?

それを確かめようにも、企業のWebページでは
「当社は入社後の各種研修でスキル向上の機会が与えられており」
=「入社後しばらくしても伸びない奴は切る」
のように、どこの会社も表面上は人道的な表記をして、
いいことしか書いていません。

そこで、企業ごとの文化の違いとか雇用環境とか、
そういう情報を直接的、間接的に収集して
今後レポートできたらと考えています。