　歌だけでなく、名前も世につれ――平成時代に最も人気のあった名前は、男児は翔太、女児は美咲だった。こんな結果を、明治安田生命が２０１８年１１月に発表した。平成の３０年間に赤ちゃんにつけられた名前の総合ランキングをまとめたところ、ベスト１０は、漢字では、男児は「翔」「大」「太」、女児は「愛」の文字が人気だった。また、読み方では男児は「〇〇タ」、女児では「〇イ」「〇〇イ」が多い。男児なら「〇〇郎（〇〇ロウ）」や「〇〇男（〇〇オ）」、女児なら「〇〇子（〇〇コ）」「〇〇美（〇〇ミ）」だった昭和時代とは、一味違う結果になった。

　同社は毎年、生まれ年別で子どもの名前を調査している。平成時代の総合ランキングは、１９８９年～２０１８年に名前が付けられた赤ちゃんを集計した。（文末の表参照）

男児の人気の名前ランキングベスト１０は、１位から順に、翔太、翔、健太、蓮、大輝、大翔、翼、大樹、颯太、拓也。同社のまとめを見ると、名前にも流行があり、人気の名前は時代とともに移っている。平成０年代は「翔太」、平成１０年代は「大輝」、平成２０年代は「蓮」が、それぞれ１位を多く取り人気があった。平成の３０年間に何回１位を取ったかで見ると、「翔太」６回、「蓮」５回、「大輝」４回、「翔」２回、「健太」１回。

「蓮」は平成１０年まではベスト１０圏外だったのが最近は人気がある。「健太」は平成１５年以降は１９年を除いてベスト１０圏外、「翔太」も２１年以降は２４年を除いて圏外、「大輝」も２０年以降、２４、２５年を除いて圏外と、ひとたび人気がなくなると候補から消えてしまうようだ。これらの名前の男子がいたら、いつ生まれかが容易に推測できそうだ。

　女児の方も見て見よう。３０年間総合ランキングの人気ベスト１０は、１位から順に、美咲、葵、陽菜、さくら、愛、結衣、七海、愛美、未来、美月。３０年間にそれぞれが何回１位を取ったかで見ると、「美咲」８回、「陽菜」７回、「葵」４回、「さくら」４回、「愛」２回。１位の回数は少ない「葵」が３０年総合では２位なのは根強い人気のおかげだ。

男児同様、時代とともに人気の名前が動くが、平成ゼロ年代から半ばまでは「美咲」、平成１０年代半ばからは「陽菜」が人気を集めた。大まかに、平成の女児の名前は「愛」「美咲」から「さくら」「陽菜」へ、という流れだったことが見て取れる。平成元年、２年と１位だった「愛」は平成１０年代からランクを落とし、平成１９年以降はベスト１０圏外に消えた。逆にかつてはベスト１０圏外だったのがいきなり１位に躍り出たのが、平成１５年に初登場した「陽菜」、平成１２年に初登場した「さくら」だ。両者はその後もベスト１０圏内に留まり続けている。

（２０１８・１２・２６、元沢賀南子執筆）

明治安田生命調べ、平成の名前ランキング

平成の名前、人気ベストは翔太と美咲、明治安田生命調べ 名前に流行あり、翔、大、愛などが人気

平成の名前、人気ベストは翔太と美咲、明治安田生命調べ　名前に流行あり、翔、大、愛などが人気