Love Pioggia

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優雨雫-ユウナ-のブログです
元「宙花」がやってるブログです
日々のことや小説をうpしてます

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お久しぶりです


長らく更新無しでしたが、これからは少しずつ復活していこうかと考えています


これからもよろしくお願いします(。-人-。)

「カロスがそうしたいならそれでかまわない。だがな、これだけは守ってもらう。
ルナに解放の言葉だけは伝えるな」
 
「ありがとうございます、ボス。あの言葉を伝えないのはあいつのためでもあります。
絶対に教えたりしません」
 
 
それから2人は朗らかに何でもない話をしてカロスは書斎を出た。
 
パタン。静かに扉を閉めた。
 
「よしっ、行くか」
 

 
「ルナーいるか?入るぞー」
 
そう言いながらドアノブを回す。鍵がかかっていなくて簡単に回るドアノブ。
 
(鍵かかってねぇじゃん)
 
「居るなら返事しろよ」
 
苦笑を浮かべながらルナに近づき、同じテーブルの椅子に座った。
 
「あーごめん、ごめん。本に集中してて気づかなかったよ」
 
「てめぇっ!棒読みじゃねぇか!本当は気づいてたんだろ?」
 
「だってカロスがくるとうるさいから。五月の蝿だから、うん。」
 
少し顔を上げてそう言ってまた本に目を落とす。
 
「何がうるさいだ!こっちは話があるんだから来てんだろ?一回本置けって、」
 
そう言ってデコピンするカロスをメガネの奥から睨む。
 
「睨んだって無駄だからな」
 
カロスがまっすぐと見返すとルナはワザとらしく「はぁ~」と
ため息をついて、なんだかんだで本を置いた。
 
「で、話ってなに?」
 
「目つぶれ」
 
「ふざけてんならでてってよ」
 
「そんな冷たいこと言うなって!
せっかくルナが前から欲しがってたもんもってきてやったのによ~」
 
その言葉に開きかけた本を閉じる。
その眼を見ればおやつを待つ子供のようにきらきらしていた。
 
「そうならそうと早く言ってよね!」
「目つぶったらだしてやるよ」
 
いたずらっぽく笑うカロスにぶつくさ文句をいいながらも素直に目を閉じたルナを見て
コイツもかわいいところあるじゃないかと思いながら
ルナが本を読んでいる間にこっそりテーブルの下で隠した"贈り物"をゴソゴソいじる。
コツンとガラスのテーブルと何かが当たる音がした。
 
「もう開いてもいいぞ」
 
目を開いて"贈り物"を見てこれを本当にもらってしまっていいのか
これはカロスの大切なものじゃないのか、大切なパートナーじゃないのか…。
自分でも気づかないウチになんとも言えない顔をしていたのだろう。
「そんな顔するなよ、おさがりじゃ嫌か?」ちゃかすように言ってカロスに頭をポンポンとされてしまった。
 
「だって、これ、…」
 
「あぁ、俺の星月花だ。これをお前にもっていてもらいたいんだ。訳あって俺が持ってるわけにはいかなくなったんだ。
ボスの許可がおりたら俺がまた世話になるが、」
 
いつになく真剣に話すカロス。話の途中で言葉をきり、悲しそうで苦しそうで、
困ったように眉が下がった表情で続けた。
 
「その時が半永久的に来ないかもしれねぇ…。それまでお前に預かっててほしいんだよ、ルナ」
 
「わたしなんかで本当にいいの?他に強い人はたくさんいるし、きっと星月花だってそういう人に使ってもらえた方が嬉しい」
 
「そうでしょ?」そういうルナの手をカロスが握ってきた。手を引っ込めようとしたのに
カロスの大きな手がそれをさせない。
 
「俺だって他のやつのことも考えたさ。けどよ、やっぱりルナ以外に"相棒"を持ってるの想像してもしっくりこないんだ」
 
ルナの手をすっぽり包む手からも「"相棒"を頼む」と言わんばかりにカロスの熱が伝わってくる。
直接伝わってくる熱もカロスの目に宿る熱もこの話がなんの偽りもないことを
言葉よりも確かに伝えてくれる
 
「後で後悔したって知らないからね」
 
「お前ならそんなことさせないだろ?」
あの夜から数日経ちカロスはそれほど体をはらなくてすむ任務をこなしていた。
一方の烈も痛々しい見た目ながらも日常生活を送れる程度に回復した。
本人曰く「俺はもう大丈夫だ!早く任務やらせろよ!」だそうだが、メディナはじめ周りのファミリーにとめられている。
そんな風に烈が動けるようになるより前、カロスはボスの書斎にいた。

「失礼します」

きりりとした表情でカロスはボスの前まで進む。
二人の間には緊張で張られた糸がある。

「今回の任務おつかれさま」

「ありがとうございます」

そう交わしただけで二人の会話は途切れる。何の用があってカロスがやってきたかははっきりしているが
どちらもそのことをどう話を始めるていこうかと思案しあっていた。

「ボス…。星月花のことですが」

カロスがそこまでいうとボスが続きを制す。

「私の口から言わせてもらおう。今回の星月花の暴走、そのものの脅威を再認識することになった。」

そこまでいうとため息を漏らした。そして重々しく言葉を続ける。

「こんなことしたくはないんだがこれは仕方ないことなんだ…分かってくれるな?」

そんなこと承知の上だと言わんばかりに

「そんなこと聞かないでください。これはある意味俺の意志でもあるんですから」

「カロスの意志…か?」

「はい。俺が暴走しなければ犠牲になるファミリーが減るんですから」

カロスは迷いもなくまっすぐにボスを見て答えた。

「お前がそう言ってくれるとこっちも少しは気が楽だ」

ボスは表情を柔らかくして言った。

「それじゃあ、俺の星月花をお願いします」

カロスはできるだけ名残惜しい気持ちを隠すように
興味なさそうに腰に下げていた星月花を手渡した。

「星月花を半永久的にカロスの手元から離しておくつもりはないからな、安心しろ」

カロスの強がりなどボスにお見通しと言ったところなのか
星月花を受け取るときにボスは任せろというようなことにそう付け加えた。

「ありがとうございます」

カロスはやっぱりボスにはかなわないと思ってはにかんだ。

「ボス、1つお願いがあります」

書斎にやって来たのと同じ真剣さのカロスにボスも同じようになってたずねる。

「なんだね?」

「星月花をルナにしばらく使わせてください。お願いします」

頭を下げて懇願するカロスになおるように言い、理由を問う。

「なぜルナなんだ」

怒っているわけではなくただただ疑問に思っているようだった。

「それは…」

ボスの問いに答えるのに星月花を渡すなら誰に渡したいかを自身にぶつけたら
なぜか一番に出てきたのがルナだった、理由はなくとも強くそう感じた。
それではあまりに答えに値しなくて言葉に詰まった。

「それは、なんだ?」

早く続きが聞きたいという焦りと急かせてはいけない。
そんな矛盾した思いをしながらも口調がきつくならないよいにした。

「俺にもわかりません。ただ俺が使わなくなったソイツを使わせるなら誰がいいか
って考えた時にまず出てきたのがルナだったんです。
すいませんこんな曖昧な答えで…」

カロスはまた頭を下げて謝った。