☆★★★★

 

2021年公開。

「100日後に死ぬワニ」というマンガがSNSで話題になったというのは知っていました。この映画は、それと何か関係があるのかな、と思って調べたらマンガの映画化だそうです。まぁ一般的には「100日後に死ぬ」よりは「100日間生きた」の方が語感や印象は良いですよね。

元のマンガは見たことがないし「話題になっている」という話ししか知らなかったので、事前情報がほぼない状態で観ました。

約60分の短いアニメですが、う~ん、パッとしない(苦笑

擬人化された動物たちが登場するんだけど、それぞれの特性がキャラに反映されているわけではなく、単純に登場人物を動物の容姿にしただけ。ワニだから肉食だとか、モグラだから昼間が苦手だとか、そういう事ではなかったです。カエルがヘビに告ったりしてましたしね、わざわざ丸呑みにされに行くのか、とかいう話しではない(笑

フリーターのワニと、親友のネズミと、恋人のセンパイ(ワニ)、友達のモグラ、モグラの恋人のイヌの、何気ない日常が描かれるのが前半パート。ワニの死んだ後に引っ越してきたカエルを加えて、残された人々の日常を描いたのが後半パート。ワニは、お花見に向かう途中、風に飛ばされて車道に転がり出てしまったヒヨコを助けようとして事故に遭い亡くなってしまいます。声優には俳優を起用。そういう点ではそれなりに予算をかけて作られた映画なのかな?

まず昭和のオッサン的には、令和の若者の言葉や「間」が馴染めませんでしたね。何気ない日常を描いているので、感動的なエピソードがあるわけでもないし、ワニの死以外に大きな事件や展開があるわけでもないし、雰囲気を楽しむ作品でしょうか?キャラクターに共感できる人には面白い映画だったかもしれないけど、そうじゃないと「ふ~ん」って感じかなぁ。

後半に登場するカエルが、本当は彼なりに事情があったんだけど、最初は空気読まないキャラに見えて嫌悪感を抱いたし、ワニが死んでからの描写は曇りや雨ばかりで、キャラの心象風景を写していたのかもしれないけど余計にカエルのウザさを引き立ててしまっていました。

百か日を迎えて、ようやくみんなが顔を上げて前向きに生きて行くみたいな展開で終わるんだけど、この作品で描きたかったのは、そこなのかな?それぞれに悲しみはあるけど、それを乗り越えて自分の人生を生きていこう、みたいな?刺さる人には刺さるのかもしれないけど、あまり上手な演出ではなかったように思いました。何気ない日常が、あまりにも何気なさ過ぎてイマイチ印象に残りませんでした、残念。