★★★★★

2018年公開。
いやー酷かった。最後まで見続けて自分を褒めてあげたい(笑
もうね、ゴジラへの冒涜としか思えない。自己満足満載の宗教観を延々と垂れ流しただけ。小難しい話をすれば頭がいいと印象付けられるとでも思っている、思慮の足りない中二病の発想からできた映画なんじゃないだろうか。こういう屁理屈が好きな人は沢山いるのかもしれないけど、はっきり言って机上の空論。現実的な考えができない頭でっかちの現実逃避でしかないわな。
内容がクソなのは作り手の自慰だから仕方がないとしても、以前も書いた通り、ゴジラの造形が全然ダメ。ゴジラじゃない。ハリウッド版「GODZILLA」、この時点でまったく興味をなくします。ゴジラは「ゴジラ」であって「GODZILLA」じゃない。それを理解していない時点で点数は付けられない。
モスラもイメージの中で一瞬だけ、シルエットでしか登場しない。キングギドラに至っては、ゴジラを苦しめた怪獣界においてゴジラの双璧となるような威厳はかけらもない。騙し討ちしかできないような卑劣な腰抜け野郎に成り下がって、まったく期待感がありません。なに?異空間からの攻撃って?全然対等の立ち回りでゴジラを圧倒しているわけじゃないじゃん。同一空間で実体化したら、とたんに瞬殺されるし。どんだけヘタレや、キングギドラ。スタッフどもはキングギドラに謝れ、元ネタのイメージも威厳も再現できなくて、腰抜けの雑魚キャラに描いてしまってごめんなさいって謝れ。
ラストシーンもなんだかなぁ。ナノメタルに浸食されたユウコは目覚めることなく、出番がないままハルオの特攻につきあわされて死亡。ハルオ的には、ナノメタルを利用して文明が再興すればそれだけ滅亡が早まる(エクシフ談)を阻止するためにユウコを消去し、なおかつゴジラへの憎悪が深い自分の存在がゴジラを活性化させギドラを呼び込むきっかけとなるから自分も消去し、それがひいては地球の存続と繁栄につながるって理屈なんだろう。そんな思惑とは無関係にゴジラは存在し続けるわけだが。全てにおいて、自己満足であり、自己完結。これがこの作品の全て。
あちこちに矛盾も散見されて、気になりました。例えば異空間からのギドラの攻撃に手も足も出さなかったゴジラですが、ギドラが実体化したとたんに「今なら倒せるぞ、ゴジラ!」とか博士が叫んじゃう。あんた方人類はゴジラを倒したかったんじゃないのか?なぜにゴジラの味方をする?ギドラが地球そのものを破滅させる存在だから、それよりもゴジラの方がマシってか?シリーズの趣旨が変わってないか?文明をギドラに捧げて滅亡させようと企んだエクシフの死をハルオが悼むのも、意味不明。アンタ、奴らの奸計にどれだけ振り回され苦しめられたんだよ?ゴジラとは別な方法で地球を滅亡させようと企んだ異星人の死に涙を流すなんて、わけわからん。ユウコがナノメタルに浸食されて昏睡状態だってのに、ギドラを退けて一段落ついたら原住民のフツア族の女性との間に子供をもうけたりして、ハルオの貞操は軽いな。そのくせ特攻はユウコと一緒ですか?ハルオの倫理観は理解不能だ。
とにもかくにも、これは「ゴジラ」を名乗らないでほしいな。どんなドラマを作ろうと勝手だけど、ゴジラのイメージもキングギドラのイメージも、丸潰しです。ホント、それだけは赦せないな、ゴジラオタクとしては。