「ワンちゃんが薬を飲んでくれない」と悩んでいませんか?フィラリア予防薬などワンちゃんは薬を飲む機会が多く、飲んでくれないと困ってしまいますよね。持病があるワンちゃんはもちろん、高齢のワンちゃんも薬が必要になる場合があります。
今回はワンちゃんの健康を守るためにも、薬をうまく飲んでもらうコツを解説します。
薬を与える前に確認したいこと
薬をフードにくるむ、砕くなどは事前の確認が必要です。飼い主さんが勝手に判断せず、動物病院に相談しましょう。
おやつやフードを利用する場合は事前に確認
薬と食品の相性もあるので、動物病院でおやつやフードを利用して大丈夫なのか確認してください。
薬を砕くときも事前に確認
錠剤を砕いてフードに混ぜる前に、必ず獣医師に砕いてもよいか確認しましょう。砕くと苦味が出る場合もあります。
特にカプセルは、勝手に中身を出さないようにしましょう。腸で溶ける時間を見越して処方されることもあります。ワンちゃんの体調に影響があったり、効果が半減したりすると危険です。
飲ませるのが難しい場合は、すぐに獣医師に相談
ワンちゃんが暴れるなどして、どうしても飲んでくれないかもしれません。その場合は自分で何とかしようとせず、すぐに動物病院に相談しましょう。特に、「大変だから薬はあきらめる」のは危険です。
また薬が飲めなかったからといって、次の投与時間に2回分いっぺんに与えるなどもやめましょう。
薬を与える際に心がけたいこと
飼い主さんの気持ちや行動は、ワンちゃんに伝わります。ワンちゃんを不安にさせないようにしましょう。
飼い主さんがリラックス
飼い主さんがリラックスすることは大変重要です。「絶対に飲んでほしい」「飲んでくれなかったらどうしよう」など、飼い主さんの気持ちはワンちゃんに伝わります。笑顔でいつも通り接するようにしましょう。
うまく飲めなくても怒らない
薬をなかなか飲んでくれなくても、怒らないことが大切です。せっかくいろいろと用意したのに、飲んでくれないこともあります。大事な薬なのに、どうしてわかってくれないのとイライラするかもしれません。
しかし、怒ると二度と薬を飲んでくれなくなる可能性があります。ワンちゃんとの信頼関係にも影響するので、怒らないように注意してください。
おやつやフードを利用して与える
では、薬の具体的な与え方を解説します。手頃でうまくいきやすいのが、ワンちゃんの好きなおやつやフードを利用する方法です。
ワンちゃんの好きなおやつやフードを利用
薬を、ワンちゃんの大好きなおやつやフードに埋め込んで与えます。錠剤やカプセル、粉薬にも利用可能です。飲み込んだふりをして、薬だけ吐き出す器用なワンちゃんもいるので、本当に飲んだかしっかり確認してください。
投薬ゼリーを利用する
ワンちゃん用投薬ゼリーが販売されています。チーズ味など、ワンちゃんが好きな味が付いています。包み込むと、薬のにおいを感じにくくなるのもメリットです。
ピルポケット(投薬用の補助おやつ)を利用する
薬専用のおやつです。真ん中に薬を入れられるように、穴が開いています。軟らかいので、薬を簡単に包み込むことが可能です。
心臓病や腎臓病などのワンちゃんが食べられるよう、ミネラル分などを調整した商品もあるので持病がある子も安心です。動物病院で購入できるので、相談してみましょう。
おやつやフードを利用する際のコツ
ただ単におやつやフードでくるんで与えればいい、というわけではありません。警戒されないためにも、コツを知っておきましょう。
ワンちゃんに薬を仕込むところを見られないように
薬を仕込むところを見られないように気を付けましょう。ワンちゃんは、いつもと様子が違う飼い主さんを見ると警戒します。ワンちゃんから見えないところで、準備してください。
丸めるときは一口サイズに
噛まずに一口で飲める大きさにするのがポイント。噛む必要があるくらい大きいと、薬を一緒に噛んでしまうかもしれません。ワンちゃんにとって嫌な味の薬だと、おやつそのものを敬遠するようになります。
最初はダミーを与える
ワンちゃんに警戒されないためにも、最初は薬を入れていないダミーを与えます。特に初めて与える投薬ゼリーや投薬トリーツなどを利用する際に効果的です。
薬を仕込んだことを知らない人が与える
薬が入っていることを知らない人に「おやつ」として与えてもらいましょう。薬が入っているとわかっている人が与えると、いつもと違う雰囲気が出てしまうので警戒されがちです。
何も知らない人が与えれば、ワンちゃんが警戒しないで食べてくれます。家族や友達に協力してもらいましょう。
粉薬やシロップ薬を与えるコツ
食欲がない場合には、粉薬やシロップ薬が処方されることもあります。食欲がないと、おやつやフードが使えません。
粉薬は水に溶かしてシリンジで
薬に苦味がなければ、水に溶かしてシリンジ(針のない注射器)で与えます。勢いよく押すと液が出過ぎてむせたり、誤嚥したりする恐れがあるので注意しましょう。
犬歯(尖っている歯)の後ろにある隙間から、少しずつ入れてください。シリンジについては、動物病院で相談してください。
甘みのあるものに混ぜ込む
ワンちゃんは、甘いものが好き。食欲がなくても甘みのあるものなら舐める場合、練乳などに混ぜ込むのも手です。歯茎や上あごに塗り付けると、そのまま飲み込んでくれます。
投薬ゼリーもおすすめ
投薬ゼリーは、粉薬の投与にも向いています。混ぜ込んでしまうと、薬の味もわかりにくくなります。
ペット用オブラートに包む
ペット用オブラートもおすすめです。犬の好む甘みが付いているので、包むとすんなり飲んでくれる可能性が高くなります。
シロップ薬を与えるコツ
シロップ薬も、シリンジに入れて少しずつ流し入れます。ワンちゃんの好きな練乳やヨーグルトなどに混ぜて舐めさせてもいいでしょう。
日頃からやっておきたいこと
ワンちゃんが薬を嫌がらないためにも、日頃からやっておきたいことがあります。薬の投与だけでなく、ほかのケアにも役立つので少しずつやっておきましょう。
口周辺や口のタッチに慣れておく
薬を飲ませる場合、口周辺や口の中を触ることが多くなります。ある日突然口周辺を触ると、ワンちゃんは嫌がるかもしれません。口の周りや、口の中のタッチには日頃から慣れさせておきましょう。慣れておくと、歯磨きの際も抵抗が少なくなります。
シリンジに慣れておく
飼い主さんもワンちゃんも、シリンジに慣れておくのも大切です。飼い主さんはワンちゃんに誤嚥させないためにも、少しずつ押す練習をしておきましょう。
ワンちゃんに慣れてもらうには、ときどきシリンジでお水を飲ませてみたり、ウエットフードを与えたりしましょう。シリンジは、介護が必要になったワンちゃんの水分や栄養補給にも役に立ちます。
まとめ
ワンちゃんに薬を飲ませるとき飼い主さんは、あまり不安や過剰な期待を持たずにリラックスすることが大切です。おやつやフード、投薬ゼリー、シリンジなどを利用して与えてみてください。また、日頃から、口回りや口のタッチに慣れさせておきましょう。
ワンちゃんの健康維持や治療に欠かせない薬。どうしても飲んでくれない、抵抗される場合は、早めに動物病院に相談してください。