昨日、私が今の会社に転職して以来、最も親しかった同僚が退職しました。

その同僚はアルバイトで、歳も70代になるお爺さんなのですが、20代で転職してきた若造である私の事を、孫のように可愛がってくれました。
 
しかし昨年、別の同僚のアルバイトが亡くなってから、様子がおかしくなり始めました。急に物忘れが激しくなったのです。
初めはただの年齢の衰えかなと思う程度でした。ですが、物忘れは日に日に酷くなっていきました。体の動きも鈍くなり、会話の内容を覚える事が難しなっていきました。そして遂には職場のビルで迷子になるようになってしまいました。
 
私は病院で診てもらうように、必死に説得しましたが、聞いてはくれませんでした。なので自分で分かる範囲で調べた結果、認知症の可能性が非常に高いとのことでした。
 
そして他の人に対しても、迷惑をかけるようになってしまった為、上司と相談した結果、お爺さんには宿直勤務をさせず、業務も簡単なもの以外はやらせないということが決まりました。
 
それからはお爺さんと業務をする時は、仕事量は倍に増え、さらにはお爺さんの実質介護の真似事までするようになりました。
仕事は大変でしたが、それ以上に認知症の症状が悪化し、あれだけ仲の良かった私の名前を、言えなくなってしまったお爺さんを見てる事のほうが辛かったです。
 
そしてこの前、会社にお爺さんから「辞める」と電話がありました。自宅で転んで大怪我を負い、家族から「まともに動けないんだから辞めろ」と言われたそうです。会社は現在人手不足なので慰留しましたが、叶いませんでした。
私は悲しくなりましたが、それ以上に安堵しました。これ以上認知症の症状が悪化した場合、面倒をみきれる自信がなかったからです。
ですが、お爺さんと別れの挨拶も出来なかったのは、本当に残念でなりません。
 
私はもっとお爺さんにやれたことがあったのではないか?そう考えてしまいます。
皆さんもそういう後悔がないよう、時々振り返り、考える事をおすすめしますよ。何かあってからでは遅いのですから・・・