1685年、彼はドイツの地方都市であるハノーファーで途方に暮れていた。高級官僚として働くうちに、決着がつかない政治的論争がいかに多いかということに気づいてしまったのだ。暫定的な結論すら出ない論争は時間の無駄である。さらに暫定的な結論すら出なければ、政治は滞ってしまう。

そこで彼(ライプニッツ)は論争を簡単に終わらせる方法を思いついた。論争している双方の言葉を記号化し、算数の問題を解くようにするという方法である。彼は論争者たちに「さあ計算してみよう」と呼びかけたという。自然言語のすべてを記号化し、その妥当性を計算することをライプニッツの夢という。

ライプニッツの夢は完全には叶えられていない。しかし、20世紀の論理学とコンピューター科学の発展によって部分的に叶えられている。
しかし、21世紀になってもゴミのような論争が続いている。

せめて完全性定理までを学び、論理的思考を理解すれば、どんな論争においても、暫定的な結論を得ることはできる。論争が下手な方々が多すぎて私も途方に暮れている。