第一章 始動
1 ---フェンリル極東支部前
始まりはいつも突然に。
世界も変容しているが、それにも増して彼の立場の変容していた。
彼は今、大きな建物の前にいる。この乱れきった世の中に存在する大きな建物といえば、フェンリルに関する建物くらいのものだ。
フェンリル極東支部。人類最後の希望、ゴッドイーターが所属する場所。
彼はゆっくりと、しかし確かな足取りで極東支部の中へと入っていった-----
2 ---支部長室
豪華な装飾が施された部屋の中心に、その部屋の持ち主に相応しいと言わざるを得ないような優雅な男性が座っている。
その男性が手を組み真っ直ぐ前を見据えていたとき、突然連絡が入った。
「支部長。照合中のデータベースから新型神機使いの適合候補者が見つかりました」
支部長、と呼ばれたその男性は少し驚いた様子を伺わせたあと、パソコンに手を伸ばしながら
「そうか。名前は何と言う?」
とその連絡を入れた女性に尋ねた。
「時生 シンヤ、と書いてあります」
「ふむ。早速適合試験を受けてもらうとしよう…」
パソコンで適合者の情報を確認した支部長は、また視線を前に戻し黙り込んだ。
3 ---適合試験所
時生シンヤは驚きにつつまれていた。
---俺が、神機使いに?しかも新型の…
アラガミに唯一対抗できる、ゴッドイーター。この職業に就ける者は非常に少ない。
神機に使われているオラクル細胞。普通の人間が神機を持てばそのオラクル細胞に、瞬く間に捕喰されるだろう。それを防ぐため、オラクル細胞にいわゆる偏食を植えつけることができる偏食因子というものを使っている。この偏食因子に適合できて初めて、ゴッドイーターへの一歩を踏み出せるのだが、適合できる者は非常に少ない。だからゴッドイーターになれる人間は限られるのだ。
---そのゴッドイーターになれるかもしれない。しかも、新型の。
戸惑っているシンヤの前には巨大な防音壁のようなものに囲まれた、とても大きな部屋が広がっている。それだけでも困惑するのに、それ以上に奇妙なものが中心に備え付けられていた。
---なんだろう、これは…?
プレス機のような機械。そして剣のようなものがその上に置いてある。
シンヤはゆっくりと機械の方へ歩み寄っていった。
すると突然、頭上から声が降ってきた。
「待たせたね」
「……?」
「ようこそ。人類最後の砦…フェンリルへ」
突然の声に驚いたシンヤは、つい疑問を発してしまった。
「今から何が始まるんですか・・・?」
「今からかい?対アラガミ討伐部隊、《ゴッドイーター》の適性試験を始める。この試験をパスした瞬間、君は新たなゴッドイーターとなるのだ。」
「・・・・・・!」
この声の主はシンヤの緊張を見抜いたのだろう、リラックスするようにと助言した。
「心の準備ができたら、中央のケースの前に立ちたまえ」
肩の力をほぐし、中央の奇妙な機械の前に立ったシンヤは、腕をあげ、機械の窪んでいる所へと腕を載せた。
そしてその刹那、上から機械が重力の力そのままに腕に落ちた。ガシャン!と大きな音を立て落ちてきた機械からは、何かを食べているような異音が聞こえてくる。
「・・・・・ッ!!」
今まで味わったことがないほどの激痛が体を駆け巡り、正体の知れない何かが体へと入り込んでくる。苦痛に顔を歪めながらも、シンヤは耐え抜こうと必死になった。
---耐え抜けば…俺もゴッドイーターに…!
時間にして十秒ほど経った頃、落ちてきた機械が上へと戻っていった。
黒い煙のようなものが腕を覆っていたのは一瞬、煙が晴れたとき腕には赤い腕輪がはまっていた。
そして、手には剣…いや、神機が握られていた。
「これが…神機…」
ぱっと見ると巨大な剣だが、よく見れば銃口や装甲のようなものもついている。
「おめでとう、君がこの支部初の《新型》神機使いだ」
そう称賛を浴びせてくる声の主に、シンヤは疑問を浴びせた。
「新型は…何が違うのでしょうか…?」
「通常、神機というのは近距離型の剣形態、遠距離型の銃形態の二つがある。旧型というのはどちらか一方しか操れないが、新型はその両方を操ることができる」
「つまり…様々な状況に対応ができる、ということですか」
「そのとおりだ。だから君にはとても期待している。」
期待されている、新型。期待を背負う分、それだけの責任も背負わなければいけない。それはシンヤも理解していた。
「これで適性試験は終了だ。メディカルチェックまで、そこの扉を出たところで待っていてくれ」
---本当に俺はゴッドイーターになったのか…?
---俺は期待に沿えるような《新型》になれるのか…?
様々な不安を心に秘めながら、シンヤは指示通りに扉をくぐっていった。
その声の主の、《期待している》という言葉の本当の意味を、知らないままに。
続く
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はい。書いていると段々訳が分からなくなってきました。
自分ってどういうの書いてたっけ??みたいなw
しかも説明が長い。
これじゃつまんなすぎるww
ということで次回こそは頑張ります