埼玉県行田市(ぎょうだし)は、埼玉県北部にある人口約8万7000人の市です。


古くから足袋の生産地として有名でしたが、行田市郷土博物館によると、行田は木綿の産地でもあり、近くに中山道が通っていたことで、旅行や作業用の足袋づくりが盛んになったと考えられています。


記録によると、江戸時代には「さし足袋」が特産だったと記されています。


ちなみにさし足袋とは刺子(さしこ)にした足袋のことです。


明治時代になるとミシンが使われるようになり、足袋の生産量は増大しました。


ずっと足袋の歴史が続き、昭和13年(1938)の足袋生産量は8,400万足で、これは全国生産の約80%を占めていました。


この足袋技術を基に昭和23年「力王」という地下足袋のメーカーが誕生しました。


現在「力王」の地下足袋シェアは6割を超えます(2位は岡山県の「丸五」の3割)


戦後の復興期から高度成長期には、地下足袋の需要も旺盛で、足袋そのものより地下足袋でこの町は有名になtってきました。


しかし地下足袋の生産は、加工賃金の安い中国や東南アジアへ生産体制を移行し、国内生産は少なくなっています。


本社は行田にあっても、生産はほとんんど国外ということもあり、本社は小さな事務所だけというシステムが多くなってきています。


最近は生活スタイルも変わり、靴下の普及によって座敷足袋生産の減少、地下足袋生産の海外移行により行田市の足袋生産は大幅に減少しました。


行田に代わって現在は、足袋生産の日本一は徳島県となっています。


平成17年度のデータでは、徳島県の足袋(類似品含)出荷額全国シェアは37.6%でした。


徳島県が一位というのは意外でしょうが、阿波踊りがあるので伝統の品がすたれずに今も尚作り続けられているのでしょう。