日本では家に入り座敷に上がろうとすれば、当然靴や履物は脱ぐという習慣があります。


そのために玄関には段差が設けられており、そこで靴を脱いで上へ上がることになります。


土足で家を汚すことは、家人に掃除の手間をかけさせるだけでなく、その家の尊厳に対する挑戦的な行為とみなされます


言葉の揶揄で「土足で踏みにじった」とか「土足で上がり込む」という表現では、人の尊厳を傷つけたり否定したりする侮辱や屈辱的な意味合いになります。


ところが、西洋文化では真逆の習慣で、いたずらに靴を脱ぐことはマナーとして好ましくないとされています。


家の中でも靴を脱がない文化圏の場合、靴は服などと同様に身だしなみの一部であり、それを脱ぎ去ることは「乱れ」とされています。


服は朝着たら夜寝るまで脱ぎませんよね。靴も服と同様、同じ感覚なので、どのような場所であろうと脱がないのが原則です。


風習の違いは玄関ドアでも分かります。


日本の場合はドアが「外開き」になっています。


これは玄関に履物を脱ぐのに、内開きでは邪魔になるからです。


それに対して靴を脱がずに入る文化圏の扉は必ず「内開き」です。


靴を脱いでよいのか脱がない方がよいのか判断に困るときには、ドアを見れば分かりやすいでしょう。