村上春樹
『街とその不確かな壁』
上巻 457頁 下巻 416頁
令和7年5月1日 (株)新潮社
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今日読み終わりました。
余韻が残っているうちに感想を
残しておきます。
村上春樹さんの作品は
興味がある内容のものは
ほとんど読んでしまって
『騎士団長殺し』以来長らく読んでいません。
次はまだ?と気になっていました。
そして、元旦にこの本をみつけて購入し
久々にあの独特の世界に浸れる!と
嬉しくて早速読んでみました。
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主人公は17歳で高校2年生の"ぼく"
1歳年下の16歳"きみ"
2人は静かに語り合う
彼女は
この自分は影で本当の自分は
高い壁にかこまれた街にいる
と話します。細部まで。。
物語は現実とその街での出来事が
交互にすすんでいきます。
主人公の"ぼく"は
大人"私"になり
46歳のときに大きく環境が変わります。
更に出会った人々と
現実と幻想の世界で葛藤が続く。
この本の登場人物の多くは
現実の生活で
生きづらさを感じていました。
取り繕ったり我慢しながら過ごすけれども
時々心も体も固まってしまいます。
それを乗り越えて
思いつくままに行動すると
あの時のタイミングだったから
出会えた、いい結果になったという
不思議で奇跡のような事が起こります。
私もそのように何度か暗いトンネルから
抜け出す奇跡を経験しました。
主人公も運命に導かれていきます
出会うべき人に出会い
深く深く自分と向き合い
運命を受け入れて生きて行きます。
村上春樹さんは
そんな主人公の考えている内容や出来事を
潤沢で生き生きとした言葉で紡ぎます。
続きが気になって
どんどん読み進めました。
現代社会では
社交的でマルチタスクをこなせる人
要領よく仕事ができる人が求められます。
求められる"枠"に当てはまらなくて
弾かれてしまう人が本当に増えました。
みんな個性(特性や特技)があって
それが活かせない場所にいると
適合できずに様々な不安を抱えます。
それでも運命の声に耳を澄ませて
「大変な事ばかりだったけど
諦めずに前向きに生きてきてよかった」と
後々感じられるといいですね。
とてもいい作品でした。


