さて、しばらく更新をお休みしていました。
やはり地震の事があって、
いつもの調子の平和ボケな内容がしっくりこない以前に、
そもそも何か文章を書くモードになりきれなくて。
地震発生直後から
数日間はとにかくニュースに釘付け。
新しい情報が聴こえるるたびにさらに胸を痛める日々。
その間、僕の生活は
とにかく周りの皆さんにとっても気づかいをしていただくことに。
電話、メールで直接連絡してきてくれたり、
気分転換に誘ってくれたり、
大学でも研究所でも会う人会う人
人によっては涙を浮かべながら
励ましお悔やみの言葉をかけてくださいました。
それだけとにかく広く心配を呼んでいる状況です。
前回の記事に加えて、
フランス、オーストリア、ベルギー、リトアニア、
南アフリカ、レバノン、アメリカ、スリランカ、ポーランドの皆さんから
温かい声を頂きました。
皆さんありがとうございました。
週も半ばになって来た頃、
地震のショック・ストレスのせいかどっと疲れが出てたり、
なんか情報ノイローゼと言ったらいいのでしょうか、
日常生活を送ろうと意識すると同時に、
何か情報が耳に入る度に再びショックモードに引き戻され、
何とも精神に負荷の大きな時期に。
とにかく情報源が多すぎて、
そしてその情報を伝える人が多くて、
一体何を信じて何を気にしないかの判断も出来なくてね。。。
例えばSNSサイトで流れまくる情報しかり、
日本とスイスで異なる原発の報道内容だったり。
こんなに一つの事象に皆の注目が集まり、
とにかくものすごい量の情報が飛び交う状況に置かれたのも初めてで。
総じてインターネットの威力を身にしみて感じた次第です。
さて、
インターネットのお陰で
スイスにいながらにして、
日本で得られるのと大して差が無い情報を得ることができたので、
ともすれば
「日本にいた場合とほぼ同じ体験をした」と
勘違いをしそうになるのですが、
決定的に異なる点が2点。
これを今整理しないと後からは思い返しにくいから、
今回の地震にまつわるもろもろを一区切りするための
記事ということです。
まず1点目は、
自分でもびっくりするほどの愛国心を感じたという点。
こんなにも祖国の事を考え心配し涙する自分に驚きました。
一番不安定になってた時は
“Japan”と聞くだけで涙が出たほど。
これはおそらく国外で暮らした経験が無かったら
持ち得なかった気持ちだと思うのです。
(一般の論ではなく、僕の場合。)
日本人ではない友人たちが日本の心配をし、
彼らにとっての日本代表の人である僕と僕の家族・友人を心配してくれて、
主観的にも客観的にも「日本」をこんなにも考えたのが初めてで。
そう言った意味で、
国外で「経験」したこの地震は国内での経験とは、やはり異質だと。
そして2点目。
インターネットでしか情報を得られなかったという点。
当たり前だろうと突っ込まれそうなんですが、
これはおそらくものすごく重要な点。
言い換えると、
自分は揺れを感じていない、
停電にあっていない、
余震の恐怖を感じていない、
放射性物質の飛散の不安を感じていない、
生活物資の不足がない等々、
とにかく実感を伴う経験がないのに、
情報だけはリアルタイムで入ってくるという
良く良く考えたらちょっと異常な状況だったという点。
情報を受け感情的になるにしても、
冷静に色々考えて教訓を得ようと努力するにしても、
実感を伴わない情報は、
「賞味期限」が短いのです。
現に1週間ちょっと経った今、
いつまでもくよくよしていられないと
気持ちを強く持って日常生活に戻り始めたとたん
いともあっさり本当に日常に戻れてしまっている。
日常に戻ることに罪はない、
というよりむしろそれはとても大事な事なのですが、
だからといって、
これですべて過去の話、自分の生活は何も変わらなかったと、
そんなことにするわけには決して行かないのに、
でもインターネットの情報の力だけでは
本当に身に沁み込む教訓を与える力が足りない。
つまり何が言いたいかというと、
大量の情報を得て、感情を揺さぶられたことで
自分も地震を経験したなんて
そんな勘違いをしかねない程の状況だけれども、
本当にこの地震とその犠牲を未来のために活かすなら、
感情的になるのみではなく、
風化しにくい教訓を如何に自分に残すかを
冷静にじっくりじっくり考えなきゃいけないと、
そういうことです。
そして僕の教訓は、
いかに情報というものを扱うか。
情報そのものの持ちうる力と
情報の発信力のバランスをいかにうまくとり、
効率のよい情報の送受信を如何に達成するか。
こんなことをじっくり考えているのです。
かなりまとまりなく、尻切れトンボな文章ですが、
後々読み返した時に、
今のこの整理されてない思考状態を思い返せるようにと、
わざとcrappyな状態でアップロードします。
お目汚しご勘弁。
そして、last but not least、
改めまして今回の地震について、
犠牲者の皆様のご冥福を謹んでお祈りすると同時に、
被災された方への心よりのお見舞いを申し上げます。
気持ちを風化させないためにも、
募金は今後も続けたいと思います。