日々こまごました雑用が絶えません。
雑用とは言ってもどれもかなり大事なものなので、
時間のやりくりが少し大変。
ビザの更新とか締め切り逃したら
一体どうなるんでしょうね。
今回の更新は住所変更届と同時なので
どっかで何かのミスが起きる可能性が高い。。。
さて、イスタンブールの旅行記です。
今回は番外編ということで。
12月28日の午前中に訪れたのは
ハギア・ソフィア(アヤ・ソフィア)。
スルタンアフメット地区の
ブルーモスクと並ぶランドマークです。
このハギア・ソフィア、
現在は歴史的モニュメント(博物館)としての機能のみですが、
もともとは6世紀に建てられた
ビザンツ帝国のキリスト教の大聖堂。
それを15世紀にオスマントルコ帝国が
コンスタンティノポリス(現在のイスタンブール)を占拠し
イスラム教のモスクへと改修したそうです。
ミナレットはその時に付けられたと。
外見からしていかにも洗練されてない構造を感じますが、
これは建設時から既に構造の不具合が色々あったり、
大きな地震があったりと、
構造上なかなか紆余曲折を経た結果の形体のようです。
もちろん基本的な設計はいわゆるビザンツ様式。
でもビザンツ様式と一言で言っても
その様式自体にかちっと固まった設計指針があった訳ではなく、
当時のキリスト教建築は
プランの組み立て方はとにかく多様だったそうです。
このハギア・ソフィアは
中央集中とバシリカ形式のプランの融合。
バシリカ形式が見て取れる側廊部↓
でもこの側廊は一般的なバシリカ建築と比べたら
身廊部とのプロポーションに違和感が。
やはり中央のドーム空間とのバランスを取るためでしょうか。
かつては漆喰で塗りつぶされていた
キリストのモザイクも見れます。
でも装飾はイスラム調。面白い。
ガイド本には
「イスタンブールに来てこれに入らないのは嘘。
あまりの美しさに上を見上げて口が開きっぱなしになるでしょう」
的な事が書いてあったのですが、
そもそもすっきりと完成されきった様式美もなく、
しかも本来の建物がそのまま保存されずに
イスラム文化の手が入ってるせいで、
正直何とも雑多な印象でした。。。
確かにこの建物にしかつくれない空気はあるけど、
あんまりに観光資源化しすぎているのもあって、
あんまりテンションが上がることもなくね。。。
でも他のオスマントルコのモスクを訪ねると
明らかにこのビザンツ様式の影響は見てとれるので、
それはそれで何とも興味深くはありましたが。
ちなみにトプカピ宮殿側から
こんな面白い光景が見れますよ↓
奥に見えるのがハギア・ソフィア。
手前のはアヤ・イリニというこれまたビザンツ時代の聖堂。
いまはコンサートホールになってるそうです。
でもこうやって眺めると
様式は不明確とは言いながら
ビザンツ建築のフィーリングは感じますよね。
イタリアはラヴェンナにあるサン・ヴィターレ聖堂。
ここを訪れたのは実に6年前なんですが、
上記の二つのイスタンブールに並ぶビザンツ建築を見て
ふわっとこのイタリアの建築の記憶がよみがえって。
どれ一つとして同じプランではなんですけどね。
面白いのは
サン・ヴィターレ聖堂を訪れた時も
なんだかすっきりしない印象を受けてたこと。
このすっきりしなさ感がかなり鮮明に蘇って、
「空間」が心に与える影響を
これまでで一番強く感じさせられた時間となりました。
建物自体も自分の空間体験も
時空の軸上で全く一致していないのに、
非常に限定的な心持が一気にフラッシュバックしたわけでね。
と、なんだか良くわからないごにょごにょ感想文になっちゃいましたが、
ビザンツ建築のエッセンスを味わった
貴重な体験であったことには間違いありません。