この冬一番の冷え込みのチューリッヒです。

もう雪降るんちゃうのってくらい今日は寒かった。。。


そうそう。

11月末に今シーズン初のスキーの予定ができました。むふふ。

ちょっといろいろ細かいこと調整しなきゃやけど、

はるばるアメリカから旧友が訪ねてくるので、

いろいろ綿密に計画を断てないとね。



さて、いつまでたっても終わらない

北欧の旅行記を続けますよ。


9月19日(日)


エストニアにて何ともエモーショナルな時間を過ごし

(この件ね → エストニア男子はそもそも涙もろいそうです )、

いよいよタリンを去る朝。


この日はタリンからラトビアの首都リガへの移動。


電車だとかなり困難な道のりになるので

(エストニアとラトビアの国境辺りは線路が繋がってないらしい)、

バスでの移動。


このバスが実は結構綱渡りで、

前日の夜にもしかしたら予約しといたほうがいいかもね

という程度でホテルにて空席を確認してもらったら、

想定してたバスはすでに満員。。。


げっ、てなことで、

急いで他のバス会社の便も確認してもらう。

何とか都合のいい時間で5人分の席が確保でき、

一安心。。。。



で、いざバスに乗るのもちょっと大変。

バスターミナルが鉄道の駅とは全然違う場所で、

それも街の中心からかなり離れているのです。。。


そこまでの行き方もよくわからない笑

それでもネットで得られるだけの情報は得て、

どのあたりで何番のトラムに乗って、

何個目の停車場か、ってことは把握。

しかし、肝心のトラムの乗り場が分からん笑


っていうのも、

ここがトラムの停車場です!って感じの分かりやすいものは何もなく、

ただ目立たない看板が立ってるだけでね。

しかもいくつかの路線が交わる場所とか、

その看板に何番線が止まるとか書いてなくて、

いくつかある停車場のどれで待てばいいのかが分からん笑


これは地元人に聞くしかないと思い、

スーツケースを引っ張ってうろうろするよりも先に、

さっさと近くにいたお兄さんを捕まえ質問。


そこで驚きの出来事が!

僕ったら、気がついたらエストニア語を口走っていました笑

いや、単語だけですが、無意識に

“Where can we get the tram No.4? We are going to Bussijaam.”とね。

ちなみにBussijaamとは英語に直訳するとBus Stationです。

どうってことない単語ですが、

ほんの2日エストニアにいただけで無意識のうちに

そんな単語を覚え使った自分に自分で驚いた笑


親切なお兄さんは笑顔で行くべき道を教えてくれ、

無事バスターミナルに到着。



という顛末で利用したバスは

Hansabuss Business Line。 こちらウェブサイト→ 英語で見れますよ


実は他の会社よりも少し割高で、

内心失敗したと思ったんですが、

何のことはない、

このバス、非常にハイレベル。

ビジネスラインとうたっているだけあって、

革張り(合皮だけど)の座席はゆったり、

車内は非常に清潔、

車内サービスもあり、

無線LANも使えて、

アテンダントのお姉さんもとても親切で仕事熱心。

英語も問題なく通じる。


それでも4時間走って料金は20ユーロそこそこ。

これは大変お得。

これよりちょっと安い程度の普通の観光バス系のに乗るより、

断然こちらの方が良かった。

大正解。

これは大変おすすめですよ。

もしタリン-リガ間の移動を検討されてる方がいらしたら、

自信を持ってお勧めです。

まあ、はるばるバルトの田舎の国に来たっていう

旅情は残念ながらありませんがね。



あまりに快適なのと、

車窓があまりに単調なせいで、

ずーっと爆睡でした。

ちなみに窓の外は牧場か草原か森。それだけ。

道も随分まっすぐで、

運転手はどうやって眠気と戦うのか大いに疑問笑




そんなこんなで、ラトビアはリガに到着。


到着の後、

さっさとホテルに向かい、

シャワーを浴びてリフレッシュして、

ちょっとちゃんとした格好に着替えて、

学会のレセプションへ。


ようやく今回の旅行のメインイベント。

ここまでの道のりはなかなか長かった。



会場のホテルで一通りの手続きを済ませ、

その足でリガの旧市街地にあるリガ大聖堂へ。

なぜ学会のレセプションが教会????と大いに疑問。


こちらがその教会↓
ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !

なかに入り、席に着きしばらくすると、

学会の運営担当の人が

「リガへようこそ!」的な挨拶を。

そして「では音楽をお楽しみください」的な一言を。


え?と思ったらば、

なんとなんと、パイプオルガンのコンサートが始まったのでした(!)


実はこのリガ大聖堂のパイプオルガンは、

欧州でも有数の大変立派で有名なパイプオルガン↓
ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !
こちら、メンテナンス中で足場も一緒に写ってますが。。。


プログラムは

Antonio Vivaldi : Movement 1 and 2 from "Concert Spring"

Johann Sebastian Bach : Toccata D-minor

Emil Darzins : The Melancholic Waltz

Lous Vierne : Carillon de Westminster

といった内容。


正直受けを狙ったのであろうヴィヴァルディは滑ってましたが

(だって、無理やり鍵盤用に編曲しただけの譜面で、

べつにオルガンである必要が全くない編曲だったんだもん。。。)、

バッハにて本領発揮。

大きな教会の空気が盛大に震える。

もはや音楽を聴くというより、音楽を全身で感じるといった様相。

残念ながらフーガはなしでしたが、

これぞオルガン音楽というものを見せつけられ衝撃。

全身鳥肌。


で、このコンサートのハイライトはこの次。

ラトビアの作曲家Emils Darzinsの管弦楽曲を

オルガン用に編曲したもの。


非常にシンプルな編曲で、

その素朴なメロディーが、

淡々と切々と降って来て。

バッハではこれでもかと空間を揺らしてたオルガンが、

今度は限りなく優しくふわりと降りてくる感覚。


メランコリックとタイトルにあるように、

陰のあるメロディーラインに、

エストニアのおじさんのことや、

ヘルシンキでの出来事や、

そもそも今欧州に住んでることや、

ラトビアにて東京の同僚の皆さんと過ごしてる時間の不思議や、

とにかくいろんな記憶とそれに伴う感情が音もなく湧いて来て。


人生、悪いこと含めて、

愛すべき記憶に溢れているんだとか、

そんな気持ちにね。

気がついたら涙が流れているのでした。



最後のヴィエルネのは

これまたオルガンの迫力を存分に押し出した

迫力とカタルシスに溢れる力演で、また涙。




こんな素晴らしいコンサートとともに始まった学会に、

いやでも期待が高まった夜となったのでした。