さて、先週末のパリ週末旅行の記録です。
今回は日記調にしてみます。
4日金曜日は朝5時に起きたのにもかかわらず、
うっかり6時21分発のチューリッヒ行きの電車を逃し、
いきなり躓いた感の旅の始まりでした。
それでもチューリッヒ発ローザンヌ行きの予定の電車には間に合い、
車中スイスの無料新聞に載ってる数独に興じる。
初めて数独を一問完成できました。達成感。
ちなみにどうでもいいですが、この新聞に
「日本の新しいファーストレディはUFOに乗って金星に行ったことがあると言ってる」
という記事があり、少なからず衝撃を受けました。
スイス内の生の情報で初めて日本の政権交代に触れたのがよりによってこんな話題だなんて。。。
途中ヌシャテルでパリ行きのTGVに乗り換え、
全行程スムーズに予定通り午後1時に無事リヨン駅に到着。
電車を降りるなり寒さにぶるぶる震え、
リヨン駅からオステルリッツ駅へ徒歩で移動。
10分強程度の道だったのですが、天気が急変してにわか嵐に見舞われ、
手荒い歓迎にややげんなり。
自称晴れ男もついに伝説終了かと。
それでも10分地下鉄にのって地上に出たら青空が見え一安心。
安心ついでに、メトロの駅からホテルまでの道も、
そもそもホテルの名前すらろくに確認せずに、
それでも絶対的な確信をもって突き進みホテルを発見。
楽勝と思いながらフロントのお姉さんにチェックインを頼んだら、違うホテルでした。。。
パリにしては例外的に親切かつ英語の上手なお姉さんに正しい場所を教えてもらって無事チェックン後、
この日の最初の目的地オルセー美術館へ。
美術館到着の14時過ぎから閉館の17時半までの3時間半の決戦。
そもそもそんな短い時間でこの美術館を楽しみつくすのは土台無理な話で、
ほぼちょうど6年前に来たときの記憶をたどりつつ、
よっぽど気になる作品以外はアンテナ全開にしつつもサクッと回覧。
しかし、オルセーは幸せな美術館です。
ぱっと眼を見やっただけで、美術史上の重要な作品が目白押しで。
それもたとえば日本にそのうちの1枚を持ってって展覧会開いたら、
人ごみが激しすぎてとてもじゃないけど絵をゆっくりなんて観れないレベルのものばかり。
ミレーをはじめとしたバルビゾン派の諸々、
クールベ、マネの一連の作品。
ドガ、シニャック、スーラ、アングル、モロー、ルソー、ゴーギャン、ゴッホ、セザンヌ等々
思い出しても思い出しきれないくらい。
もちろんルノアール、モネ等々もたくさんで、それだけでも見どころありすぎなのですが、
今回はアングル、クールベ、マネが特にビンビンと響くものがありました。
そもそもアングルとか、退廃的な匂いの漂う新古典派の作品は、
美術史上も批判的な評価を受けがちな気もする上、今まであまり興味がなかったのですが、
それでも超絶的な画力と、この時代にしか達しえない表現、
それも単なる懐古主義ではなく、新しい時代の価値観をいかに盛り込むかにやはりポイントがあって、
たとえば後期印象派とか、キュビスム等々の表現の発展とは違った形での
時代・大勢への反骨精神、新しい価値観の提示がむしろよりドラマチックに感じられたのです。
クールベも、アングルとは対極ですが、つまりもっと明確に新しい世界のとらえ方を提案していて、
世界中から旅行者が、一同に会している世界の名画たちを思うままに眺めることのできる現代も、
ある種宗教の枠をこえた「個人」の発見、クールベの写実主義も少なからず影響を与えているのだと妄想すると、
なんとも不思議な感覚に満たされるのでした。
そして、極めつけはマネ。
この画家はもうなんだかよくわからないですが、
この世界が存在するうちに、この人にしかできない表現を手に入れていたように見えて、
ただただ畏敬の感覚を得ただけで。
閉館時間前の20分間は
『オランピア』、『バルコニー』、『笛を吹く少年』、『草上の昼食』の間をぐるぐるまわって、
ほとんど誰にも邪魔されることもなく、
至福を超えたひと時を楽しんだのでした。
もとは駅舎。
ロダンの『地獄門』とホール天井↓
この中に『考える人』います。
いや、実際この美術館はいろいろ考えさせられ、本当に疲れる。
その後、オルセーを後にして、ブラアカのソウルメイト深山さっちゃんに会うべく、
彼の滞在するホテルへ。
こちらそのホテルのすぐ近くのレンツォ・ピアノ設計のポンピドゥーセンター↓
いや、これがないともはやパリは語れないのかも。
本当は通りに面した建物の裏側のほうが個人的には好きなのですが。
でも写真映えしないので、正面の写真。
すでに超長文なので、続きはまた明日か明後日に。
明日は仕事上がったあと、ルツェルンへコンサートを聴きに行きます。
楽しみー。