さて、週末この上なくだらだらしています。

自分で不思議なくらいいくら寝てもまだ寝られる。

寝貯めなんて意味ないことは知っているんですが。



さて、今日は20日に行ってきたバーゼルへの遠足をご紹介。



実はバーゼルは6年ぶりの訪問。

駅、駅前の様子など、

あれこんなにちっさかったっけ?て思うほど印象が違う。

でも、今回の行程で6年前とかぶる行動は駅周辺と、市庁舎しかなくって、

今回はほとんど新しい経験となりました。



さて、朝9時半位にバーゼルに集合。


最初に向かったのはノヴァルティス社のキャンパス。

ノヴァルティス社はバーゼルに本社を置く、バイオ・製薬等の化学系の会社で、

日本でもニコチネルパットとか販売してます。



で、なんかこの本社の敷地内で、

都市デザインの実験プロジェクトみたいなことをやってて、それを見学。

ちなみに一般の人は入れないので、この記事読んで勢いあまってアポなしで行かないようにして下さいね。



で、その概要ですが、

屋外で30人ほどのグループに対して一人の担当者が

肉声だけで話している状況で、正確には把握してれていないのですが、

どうやら、労働環境としての都市デザインの在り方の提案を、

本社の敷地内をめいっぱい使って行っているという様子。



マスタープランの在り方とか、

キャンパス内のそれぞれの建物の設計者の選定とか、

システム的なこともあまりよくわからない上、

敷地内の建築を見ながらただ練り歩く的な見学になり、

やや不満の残る見学となりました。



莫大な予算をかけて、

スター建築家を世界中から呼んで、

「ほら、これがあなたたちの働く場所の未来的なモデルですよ!」

とか言われても、

「ふーん、スケールのでかいおまま事ですなぁ。」

と。



というのも、

実際働いてる人たちの生の声を聞く機会はなかったから

実際の都市活動の場としての実感を得られなかったことを前提に、

数え切れない程の社屋それぞれが、

異なるデザイン言語のもとに設計されていて、

ちぐはぐなパッチワークのような様相となっているうえ、

都市の機能の複層性がない、深みのない町並みとなっていて。



場所を描写するボキャブラリーも

「フランク・O・ゲーリーの前で集合」とか、

都市空間の認識に対しては全く意味をなさないはずの設計者の個人名が使われて、

結局ファッション感覚的なキャンパス計画でしかないというのが感想。



たとえば建築博物館的な見方をするなら別ですが、

結局いわゆる大学なり企業のキャンパス以上のものになりえていないのでした。



ちなみにガラス張りでスケスケの建物が一棟あって、

仲良しドイツ人のライナーが、

「エネルギー効率か、室内環境どっちかが最悪だね。これ。」

といった建物が、何となく(いやかなり)日本的なボキャブラリーの設計だったので、

帰ってから調べて観たら、やはりSANAAの設計で、

見た目にはこざっぱりと感覚の良い空間を設計しても、

結局日本の設計者の機能全体の計画の感覚の遅れを感じさせられたりもしました。


こちら敷地の受付の建物↓
ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !
良い具合のアングルが得られず軒裏ですが。。。

実はこの屋根↓
ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !
一見カーテンウォールのようなガラスの構造壁に支えられています。

いや、気違いじみている笑


敷地内は撮影禁止だったので

気なる方はFlickrで“Novartis campus”で検索! → Flickr



この見学後、例の暑くて精神崩壊寸前のランチを楽しみ、

午後はガイドさんと一緒に市内を徒歩で(!)ひたすらうろうろする観光となったのでした。

バーゼルは歴史的にも非常に興味深い町で、

美術館、建築等見どころが山ほどあるんで、

近いうちにまた来なければと思いつつ、

チューリッヒに帰ったのでした。