先日、『趙善玉料理研究員』で開催された『慶尚北道を愛する親睦会』にお誘い頂き、参加させていただきました。
 
{A4F100F5-4D1F-40AE-9121-E7F584F38FED}

 

 

慶尚北道は韓国料理の中でも一番歴史がある地域だそう。

 

 

この日のメインはコリアンフードコラムニストの八田靖史さんの講演。テーマは【慶尚北道の食文化~英陽の『飲食知味方』を中心に】

{B80A2457-B3EA-4501-A282-0A1105145B22}

 

 

まずは慶尚北道について。

慶尚北道は慶州(キョンジュ)や安東(アンドン)など歴史的な魅力がある地域で。韓国で国家民俗文化財に指定される民俗村7つのうち4つがこの慶尚北道にあるそう。

 

{5D8D8E0A-F4BF-41F2-BB3B-8C8EEC52E65B}

 

 

そして慶尚北道には両班が継承する6つの食文化が。

{C74577DB-BA18-4819-9B5B-9C3C2A784B3D}

 

 

まず、安東(アンドン)地区。

ホッチェサバプという祭祀料理を模したお料理。

 

{AB1B4F84-BC74-4B73-A904-32ECFD5D5EFF}

 

祭祀料理おため、唐辛子やにんにくは使用しない。

そしてビビンパも普段はコチュジャンを入れたりしますが、醤油の様なものを使って食べるそう。

 

こちらは海の近くではないけれど「塩サバ」も有名だそう!

 

他には『チムタク』という鶏肉料理や…

{4506B8C4-FE02-4673-A2EF-F36817CDE374}

 

 

山芋が有名な地域でもあるので、スイーツにも使われるそう。

{4D11DDE1-6A9B-42D2-9430-EA73C3AD2F1E}

 

 

 

続いて、慶州(キョンジュ)地区。

キョドンポプチェ(校洞法酒)

 

昔、お酒は各家庭で作るものだったそう。

 

このキョドンポプチェではもち米のやや甘いお酒。

 

{28E38226-CAF0-404F-8FF1-13B2FD29ECA8}

 

 

賞味期限がとても短い生酒だそう。

なので、ソウルなんかでも絶対にのめない貴重なお酒だそう。

 

{1A4AA513-71F9-4D0D-B237-8719BF551ABC}

 

 

 

この地域では他にも…

 

サンパというお料理やスンドゥブ

 

{A7DA2198-0121-4204-BC19-641937C39F8A}

 

 

そして、ヘジャンクというお料理も有名!

{482E46A1-AEF8-4F04-BDF3-E9771A1F104F}

 

 

 
続いて、星州(ソンジュ)地域
こちらはチャメ(まくわうり)の産地で全国の7~8割をこの地域で生産しているそう。
 
コノムルチム
{96A544C2-4743-4240-B42A-BEAEC56924EC}

 

 

これは乾物を蒸し煮にしたもの。

祭祀料理なんかで使われた乾物を甘辛く蒸し煮にしたものだそう。

干し鱈や鶏肉なんかが使われているそう。

 

 

続いて、栄州(ヨンジュ)

 

この地域は川に囲まれた地域でドラマのロケ地にも使われているそう。そして、りんごの生産1位のエリアでもあるそう。

 

ハヌ(牛肉)高麗人参

高麗人参は天ぷらが一番おいしく食べられるんですって!

 

{63D2BCB5-6028-4892-84B6-E397F88516D4}

 

 

ムノスッケ(茹でダコの薄切り)も有名!!

 

 
{F5FC5949-4BF8-43E8-BEEF-64EA000FF89F}
 
テピョンチェというムッが入ったキムチチゲも。
{BCA7E623-4890-4A9C-9362-94E46F74932A}
 
この持ち上げられているのが「ムッ」というもの。
{BD3A4DEB-6233-486D-A1BB-A24864DF22D6}
 
奉化(ポンファ)地区
ハングァという伝統菓子。
 
このお菓子は他地域から嫁いできたお嫁さんにしか作ることを許されないんですって。
なので、自分の娘にも伝えることができない…
現在は後継者問題もあるとか…
 
{92836BF8-C750-4C81-B418-6A680796B8D7}

 

そしてマツタケも有名な地区

マツタケは焼肉と一緒に。

{5DC18000-C725-45B7-9D07-FD926C66CB0B}
 
炊き込みご飯も!
{EBAE5FCE-A7B7-4B50-9995-771EB155F95D}
 
 
さて最後に今回のメインテーマである英陽(ヨンヤン)地区。
朝鮮時代の食文化を現代に伝える『飲食知味方(ウムシクティミバン)』という英陽のトゥドゥル村に伝わる台所仕事の覚書。
 
1670年ごろに書かれたと推定されており、ハングル表記の料理書としては最古とされています。
 
執筆者は張桂香(チャン・ゲヒャン)という両班家庭の夫人。
全部で146項目のレシピが存在しており、うち51項目は酒造りだそう!

 
{5D55D1B4-D868-4BD6-8F58-C5F1636462FB}
 
英陽地区は唐辛子の生産地としてもとても有名だそうですが、この『飲食知味方』に出てくる料理には唐辛子が一切使われていないそう。
 
{C31CE6E1-3DEF-4866-A567-1F9B666BC78D}
 
現代とは調理方法が異なったり、既に失われてしまった料理も多いそう。
 
一番の驚きは写真真ん中の左側のお皿。きれいに盛り付けてあるお料理。これは「チャプチェ」というもの。
元々は細切りにした野菜の和え物というもの。
 
現代と違い春雨は入らないんです。
1品ずつそれぞれ調理・味付けしてありきれいに盛ってありますが、食べるときには全体を混ぜ合わせて食べるんですが、混ぜて食べることでそれぞれの味が重なりさらに美味しく食べられるんです。
 
この本は「朝鮮の料理書」というタイトルで日本語翻訳されている本が日本で購入可能だそうで、興味のある人はぜひ!
 
 
講演の後は、「飲食知味方」のお料理を再現したものをいただきました!
 
酒造りのレシピが多いこともあり、ツマミの様なお料理も多いんです。
 
今回いただいたお料理のメニューは以下の通り
{80FF121F-69F8-4E5F-822A-0CF7903B1C57}
 
{4D222953-E94E-4069-B20D-281BC1FF16B4}
 
・コンゴキムルキムチ
・トンアトンチェ
 
ピンクのものは冬瓜をピンクに染めてあるんです。
水キムチはきゅうりとキジ肉のお漬物を水キムチにしたもの。
味は薄めでまろやかなのが特徴!
 
 
お料理もですが、お酒もいただきました。
まずは「1日酒」
 
{350DA31A-469D-4601-8686-56558B23DC46}
当時は朝作って夜飲むお酒だそうですが…
発酵期間が短くお酒らしくないお酒。
現在は15~20日ほどかけて作るそうです。
 
 
続いて、「7日酒」
こちらは2度発酵させてあるそう。
ちょっと酸味が強く、お酒好きにはたまらん♡
{5220602C-C312-414E-B730-57ADB11E12D1}
 
 
最後に「母酒(モジュ)」
 
{02FD4103-9C42-4DAE-B51E-09642CBEABFB}
 
薬酒の様なイメージ。アルコール強めで独特の風味です。
 
 
・ソプサンサンポ
{596D57FD-F019-4E64-9C6F-A505749E7149}

つるにんじんの天ぷら。
ハチミツをかけてあります。
 
これが一番人気が高かった気がします。
これでいくらでもお酒飲めちゃいそう♡
 
・チャプチェ
{6C6BEA69-B0DF-4561-86C5-9DBC19F2D486}
 
エリンギ、万能ねぎ、大根、トラジ、きゅうり、干しシイタケ、キジ肉…等々すべて別々に調理されています。
 
{A7B897C7-FB5D-48FC-B9B5-10AFAC0A0897}
 
それぞれ単品で食べてもとても美味しいんですが、混ぜて食べることでさらに美味しい♡
 
 
・チョンポ・ヘサムチム
干し鮑、干しナマコにキジ肉を詰めて蒸したもの。
 
{3DCAED87-8EAF-49BD-980B-21C141B6AF79}
 
タレはしょうゆ、ごま油、お酢というシンプルなもの。
 
{30769774-18EE-446A-A87D-5D950A1D439C}
 
・タックンヌンポ
・ヤンスピョン
 
{5CC885A8-D436-47D7-90B1-4E641D0BE5D0}
 
鶏肉の炭火焼、ハチの巣
とても香ばしい鶏肉。そしてハチの巣は柔らか~くて絶品!
 
・コンコギチャンヂ
{319B1B26-ECFB-4C38-8108-80FC84147901}
水キムチにも使われていたきゅうりとキジ肉のお漬物。
 
・ナンミョン
{CD7712DC-75E2-400F-BA0F-67FB24504481}
 
小麦粉と卵だけで作られた麺
いりこのお出汁の優しいお味のスープ。
 
お好みで醤油ダレを入れて。
{F1D09583-A4FD-430D-9B70-FFA30B3CB48A}
 
{02D7590C-C223-44FE-AA82-AF136905C677}
 
 
 
デザートは
・チョクミョンポッ
・ソギピョンポ
・パクサンポ
 
{7A53DD45-C19D-4CA0-A031-DFB675C5E3CA}
 
ピンクのものは五味子茶に片栗粉の麺が入ってます。
 
{50B3A384-647D-4CD7-AC63-D07D47870A79}
 
今まで飲んでいた五味子茶は甘いもののイメージでしたが、さっぱりスッキリなお味。
 
 
 
講演も食事も堪能させていただきました。
 
この「飲食知味方」の再現料理は英陽のトゥドゥル村で味わえるプログラムもあるそうですよ!…10名以上での予約が必要ですが…。
 
唐辛子を使わない…赤くない、辛くない韓国の伝統料理、ぜひいろんな人に知ってもらいたいです。