『プロフェッショナルシンキング』レビュー | Hack or Fuck ?

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久々にレビュープラスさんの案件。そして久々のアメブロ。

ということで、大前研一氏監修によるBBT大学シリーズの書籍『プロフェッショナルシンキング』を読んだ。

プロフェッショナル シンキング (BBT大学シリーズ)/東洋経済新報社
¥1,620
Amazon.co.jp

もちろんこれは「ビジネス書」にカテゴライズされている。仮にあなたが自分のビジネスのヒントを求めて本書を手に取ったとして、ここに書かれている内容をあなたが実際に実践していく過程においてその「カテゴリー」はやがて意味を失ってくるだろう。

タイトルの「プロフェッショナル」とは一体何を意味するのだろうか。「プロフェッショナル」と聞いてあなたはどんなことを思い浮かべるだろうか。

もしかするとあなたは、「自分は~のプロフェッショナルである」と考えているのかもしれない。そうであるとしたら、あなたはより慎重に本書を読み進める必要があるだろう。

なぜならこの『プロフェッショナルシンキング』はあなたのビジネス観を根底から覆す可能性を秘めているからだ。

なぜ覆すのか。

「プロフェッショナル」の定義が違うからだ。辞書などに書かれてあるような既存の定義はあくまでも外的な定義だが、本書における「プロフェッショナル」の定義は内的・内面的なものである。

辞書の定義は言ってみれば、「アマチュア」的な定義である。

それでは、どのような定義なのかということだが、詳細は実際に手に取ってページを開いてほしい。

手に取れば、おれの言わんとすることが伝わるだろう。

だからここでは、一読したおれの印象をいくつか挙げるだけにとどめたい。

まず、本書は仏道、特に禅に限りなく近づいているということ。

第1章の「準備運動」と第2章の「思考逃避がもたらす固定概念を打破する」は禅の基本と重なる部分が多い。この二つの章を熟読すれば、続く第3章のテーマである「大局観」も自ずから現れてくるだろう。

個人的には以上の三章で充分だという気がするが、それでは多くの人、特にビジネスマン向けの本にはならないだろうなとは思う。

何より第4章以下はカタカナ用語が多くてなかなか覚えられない。これもグローバル時代の象徴なのかもしれない。

そういうわけで、この本の構成をおれなりに解説するとすれば、第1章、第2章で禅・仏道の修行者の基本姿勢を学び、第3章でエゴを超えた眼差しの必要性を学ぶことになる。ここで修行者は一旦彼岸、つまり「ビジネス世界」の外側に立つ。そして第4章以下で如来というか菩薩というかそういう存在となり、再び現世(ビジネス世界)に戻ってくる。ゆえに、第4章以下は「こうすればいい」という体裁をとってはいるが、実際には「自ずから」そうなるし、そう行動するほかないというようなこと、また諸行無常・万物流転の真理が「現代的」にカタカナで記されている。

それでは、「プロフェッショナル」になるには、禅を学ぶ必要があるのかと思われる方もいるかもしれないが、必ずしもそういうわけではない。

自分を知ることができるのなら、何でも構わない。

そう。

「プロフェッショナル」とは自分を知る人のことだ。

他人の思惑や時代の流れではない。それらはすべて自己認識の後にやってくる。

順番を間違えてはいけない。