神田神保町に行ってきた | Hack or Fuck ?

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天気もいいことだし、ツーリングがてら毎年この時期に開催される古本まつりをひやかしに神田神保町まで足を伸ばしてきた。

横浜から小一時間走り、午後遅く到着。

バイクを停める場所を探してしばらく周囲をグルグル回って、ここならいいだろうという感じのスペースを見つけた。

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歩道の前にはそれぞれの古書店の屋台がずらりと並び、大勢の人々で賑わっていた。

比較的高齢の方々が多かったように思う。おれはなぜかサザエさんの父親である波平を思い出し、そのままフネとの会話を妄想する。

フネ「お父さん、今日は遅かったですね」
波平「うん、神保町でね古本まつりをやっとったから、ちょっと冷やかしてきた」
フネ「そうでしたか、何か掘り出し物はありましたか」
波平「昭和初期の盆栽の指南書を見つけたよ。他じゃなかなか手に入らん代物だ」

……カツオがその本を台無しにする前におれは妄想することをやめて、神保町をぶらつくことにした。

特にこれといって目当ての本はなかったが、各古書店を出たり入ったりするだけでもなかなか楽しめた。

ある店では、作家の直筆原稿が数十万円で売られていた。

大江健三郎、坂口安吾、瀬戸内寂聴その他の原稿がショーウインドウに飾られていた。

中でも印象的だったのは、坂口安吾の 文字だ。あの「堕落論」の作者は、こんな優しく几帳面な字を書く人だったのかと静かな感動を覚えた。

三島由紀夫の手紙とかもあった。

こうしたものはブックオフでは絶対にないだろうなと思いつつ、おれはその店を出た。

別の店では、全員メガネをかけたオタクっぽい青年グループが数人で、ライトノベルというのかその手の本を手に取りながらあれこれ話しているのを見た。よく分からない会話だったが、楽しそうだった。

楽しそうな人々を見るのは微笑ましいものだ。

おれはオタクではないが、そういう人たちは嫌いではない。

好きなものにのめり込むっていいじゃないですか。


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…そんなこんなで、たちまち夕暮れとなりおれは神保町を後にすることにした。

たまには知らない街をぶらつくのもいいものだ。

自分が消えていく感じがいい。

人は未知の土地で眼差しだけになる。






…だがそんな考察よりも実は今回の一番の驚きは古本のことでも神保町のことでも直筆原稿でもなく、iPhoneのMAPに音声ナビ機能があることを知ったことだ。

おかげで何も考えることもなく、不慣れな道をイヤホンから流れる変なイントネーションのルート案内を聴きながら走ることができた。

ただやはりバイクを走らせていると、エンジン音でよく聞き取れないので、何度か案内を無視する場面があった。

だが、そんなおれに呆れることもなくiPhoneMAPは辛抱強く最後までナビゲートしてくれたのだった。

サンキュー、おれのiPhone…









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