無事帰還 | Hack or Fuck ?

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8/18夜。おれたち家族は横浜に戻るべく山口県の実家を後にした。まず立ち寄った場所は実家から僅か数百メートルの温泉「和の湯」…息子がどうしても行きたいと駄々をこねたからだ。無料招待券もあったことだし「急ぐ旅でもない」から寄ることにした。

温泉でさっぱりした頃には予定出発時間を大幅に過ぎていたが「急ぐ旅でもない」から特に気にもしなかった。

山陽自動車道徳山西ICに入ったのは深夜0:00前くらいだった。あとはひたすら東上するだけだ。子供らは後部座席ですぐに眠り込んだ。おれはカミさんと昔よくドライブに出かけていたことを思い出しつつ色んなことを話しながらクルマを走らせた。どんな話をしたかはもう忘れてしまった。路上では何かも通り過ぎて行く。

「急ぐ旅でもない」からサービスエリアには頻繁に立ち寄った。真夜中だがどのSAも賑やかだった。

一番印象的だったのは吉備SAだ。そこの男子トイレは各小便器に仕切りがついていた。これは隣の人の「ハネ」を防止するためなのか、いやおそらくかつて「ハネ」が原因で深刻なトラブルが発生したに違いないと心の中で決めつけながら用を足した。
「私たちはもう同じ過ちを繰り返しません。NO MORE トビ ハネ!」というNEXCO西日本の姿勢が行動に現れた素晴らしい対応だ。残念ながら写真は自粛した。盗撮容疑で捕まるのは嫌だったからだ。ただ今思うにこれが吉備SAだったのかはだんだん自信がなくなってきてはいる。最近おれの記憶力は視力と共に低下しているからだ。まあ取るに足らないことだ。おれはそんなことに囚われない。
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何度かの仮眠や休憩をはさみ夜明けを迎えたのは兵庫県に入ったあたりだった。夜明けの瞬間というのはそこがどこであれ神々しいものだ。

それにしても深夜の高速道路のSA,PAは不思議な場所だ。パジャマみたいな格好の人もいれば綺麗に着飾った人もいる。パブリックとプライベートが混じり合った一種アナーキーな異空間だ。日常生活ではあまり縁のないこうした空間に入り込むのも「移動」の醍醐味ではある。同時におれたちは日頃見えない区分けに従って生活しているのかも見えてくる。まあそれぞれ一長一短はあるが…
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そんなこんなで、おれたちのカローラアレックス( by ニコニコレンタカー)は順調に走り続けた。新東名の小綺麗なSA、NEOPASA駿河湾沼津を出るまでは…



…渋滞に巻き込まれた…新東名が終わり東名高速に合流するあたりから道路は有料低速道路と化した。最後の駿河湾沼津で爆睡したおれは微かな不安に襲われた。

…まさかあれだよな、あと100kmもないのに3時間とかかからないよな…レンタカー返すんですけど…まさかな、うん…

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無理だ。間に合わない。どうすべきか。

おれは秦野中井ICで降りて西湘バイパスから横浜を目指すことにした。

だが…西湘バイパスも国道1号線も大渋滞だった…[みんな:01]

しかも昭和の時代からタイムスリップしてきたかのような暴走族の青少年たちの集団走行に巻き込まれた。おそらくここ近年の地軸のズレの影響か惑星の配列の影響によって歪んだ時空の裂け目からやってきたのだろう。

そんな考察をしつつもおれの膀胱はいつの間にか破裂の時を目前に控えていた。

時空の裂け目より深刻な問題だった。

緊急避難用のスペースを見つけたおれは渋滞の列を離れ柵を乗り越えて適当な茂みを探した。

よし!ここだ!と思ったおれはふと坂の真上になぜか歯磨きをしているおじさんの姿を見つけてしまった。

なぜこの人はここで歯を磨いているのだろうか⁉

家が近所なのかそのおじさんは西湘バイパスを見下ろす場所に立って一心不乱に歯磨きをしていた。

この人は夕方西湘バイパスもしくはその向こうに広がる太平洋を眺めながら歯を磨く習慣があるのか!という苦い思いが膀胱破裂寸前のおれの胸を去来した。

夕食後の習慣か?それとも寝る前なのか?寝るには早いが、早寝早起きの人なのかもしれないな…もう定年してるんだろうな…

そんなことを思いながらおれはおじさんの視界から離れて松の木陰を探してやっと用を足すことができた。息子と二人で。それも二年連続で。

スッキリしたおれたち親子はスッキリした表情で再び柵を乗り越えクルマに戻った。そしてレンタカー屋に電話した。

「すいません。予定時間に間に合いそうもありません。ええ、はい、渋滞で…何とか閉店前には…」

…渋滞の列はその後も延々と続き横浜のわが家に辿り着いたのはレンタカー屋が閉まる直前だった。

急げ!バカ!テレビ点けんじゃねぇ!荷物運ぶんだよ‼早くしないとレンタカー屋さんが閉まるんだよ!

急ぐ旅でもなかった筈のおれたちは速攻で家族一丸となってクルマに積んだ荷物を次々に家の中に運び込んだ。

その最中、カミさんが声を上げた。

「ねぇ!何か臭くない⁈」
「確かに!何だ?この悪臭は⁉」

ふと自分のサンダルを確認したおれは愕然とした。ネコの糞を思い切り踏み潰していたのだ…[みんな:02]

まだ新しいKEENのサンダルに…

…こうしてわが家の旅は終わった。レンタカーは2時間延長で済んだ。みんな無事で何よりだった。サンダルも洗いました。

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