古本日日ひまわり

古本日日ひまわり

こつこつと集めた古本を紹介しています。

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古本日日ひまわり-私の文章修業


 「私の文章修業」


 朝日新聞社、1982年9刷


 定価1400円









大岡昇平、井上靖、植草甚一、澁澤龍彦、山口瞳、開高健、尾崎一雄、中上健次、吉行淳之介、宇野千代、武田百合子、石原慎太郎、つかこうへい、殿山泰司、和田誠、沢木耕太郎…、錚々たるメンバーが集結したエッセイ集。




テーマは自らの文章の成り立ち。作家の皆さんが、どんな修行を経て、現在の文体を身につけたのかという問いに答えています。




大多数の方は文章修行をした覚えはなく、好きな本を読み、さまざまな人や物に触れることが大切と説いています。また、書かなくてはならない必要性や、抑えられない衝動が、導かれているかのように降ってきた方も多いようですね。




池田満寿夫による装丁/挿絵が美しい1冊。

古本日日ひまわり-うつむく青年新装版


 「うつむく青年」谷川俊太郎


 サンリオ、1990年2刷


 定価1200円






以前紹介した詩集(http://ameblo.jp/go-hon/entry-10586372049.html
)の新装版。




うつむいて


うつむくことで


君は私に問いかける


私が何に命を賭けているかを


よれよれのレインコートと


ポケットからはみ出したカレーパンと


まっすぐな矢のような魂と


それしか持ってない者の烈しさで


それしか持とうとしない者の気軽さで




うつむいて


うつむくことで


君は自分を主張する


君が何に命を賭けているかを


そる必要のないまばらな不精ひげと


子どものように細く汚れた首すじと


鉛よりも重い現在と


そんな形に自分で自分を追いつめて


そんな夢に自分で自分を組織して 




うつむけば


うつむくことで


君は私に否という


否という言葉は聞こえないが


否という君の存在は私に見える




うつむいて


うつむくことで


君は生へと一歩踏み出す


初夏の陽はけやきの老樹に射していて


君はそれに否とはいわない




うつむく青年/谷川俊太郎




前のめりにうつむいて、前向きに生きて




■備忘録


メトロ・フィルム/秦基博

古本日日ひまわり-隻眼法楽帖
 「隻眼法楽帖」今日出海

 中央公論社、1981年初版

 定価1100円




今日出海さんは、直木賞作家にして、文化庁初代長官などの要職も歴任した偉いお方。本書は、最晩年の随筆集です。


<どうせ金儲けなどできぬ私などは、せめて閑な時間を持つことが文化だと心得、近頃は暇があればベッドに横になることにしている>


網膜はく離で片目の視力を失い、老境に差し掛かったこともあり、全ての役職を身を引き、悠々自適にペンを走らせる著者。戦地での経験、海外での見聞、作家や政治家たちとの交遊などを記しています。作家という枠に留まらず、積極的に社会と関わっていった充実の人生。偉い人生です。


装画は中川一政。