「だから荒野」

朝からどんより曇っていて、寒い

こんな日は本の紹介を

10月も1冊しか読めませんでしたが、面白い小説でした
桐野夏生の「だから荒野」



久しぶりに最初からワクワクする展開のストーリーでした

主人公は専業主婦の朋美。
日頃自分勝手な夫や息子たちに、鬱積していた怒りが爆発
自分の46歳の誕生日の外食中に店を飛び出し、夫の車ごと家出をしてしまいます

一路長崎を目指して高速を走り続けますが

途中SAで情けをかけて親切にしてやった女に車を乗り逃げされたり、下心のあるトラドラに出会ったり

まさに世間をあまり知らない主婦の大冒険

車を盗られた後に、たまたま長崎へ行く老人と若者に拾われます


拾われた老人の家に居候させてもらいながら、朋美はいろいろなことを考え、そして決断します。。。


専業主婦として、また息子が2人という家族構成

そして誕生日とか家族から積極的に祝ってくれないとか(苦笑)

前半は共感する部分もありましたが

主人公の朋美は高速道路もガンガン運転できるという部分と、家族を顧みない行動力や勇気は私にはないと思いました

夫も息子らも身勝手だけど、特に夫はサイテーな男です。

朋美が乗って出た車の中に夫の高いゴルフクラブのセットがあり、
その中にゴルフ仲間の女性の連絡先を書いたメモがあるので、夫は朋美よりもそちらのほうが気になる始末。
さらには大量のコン○ームまで

夫は世間体を気にして、妻の家出を周囲に隠しているため、嘘の上に嘘を重ねて状況が悪くなるばかり

朋美が売り飛ばして旅の軍資金にしたのは痛快でした(^o^)



この話はドラマ化され
来年1月からNHK－BSプレミアムで鈴木京香主演で放映されるそうですので、興味のある方はお楽しみに


桐野夏生の作品
全部は読んでいませんが、読んだ中で印象に残っているのは

魂萌え！
OUT
東京島
緑の毒

でしょうか。

「魂萌え！」も、突然夫を亡くした主婦が、自分勝手な息子や娘に愛想がつきて家出をする話、

「OUT」は、主婦がパートの弁当工場で働く同僚を………して………する、恐ろしくも目がページから離れないほど、グイグイ引き込まれた小説でした。